サンパウロ市の高速道マルジナル・チエテと同ピニェイロスでは、スピード規制緩和後に交通事故死が増えているが、その実情がジョアン・ドリア市長の見解と食い違っていると、3日付現地紙が報じている。
両マルジナルの制限速度は、3車線でそれぞれ、時速50キロ、60キロ、70キロと定められていたが、それがドリア市長就任後の今年の1月25日から、それぞれ60キロ、70キロ、90キロに緩和された。
マルジナルの制限速度の規制強化は、フェルナンド・ハダジ前市長の時代の15年に行われた。それにより、14年は68人いた両マルジナルでの死者が、15年は46人に、16年は26人に減っていた。だが、今年は10月末の時点で28人と、また増えていた。
ドリア市長は今年の中ごろ、特別な資料に基づかず、「交通事故死の増加は、市の主要な通りでの交通量が15%増加したためだ」と説明した。
さらに、8月に事故の死者が20人台になった際も、「スピードの規制を緩めたこととは関係ない」と主張し、「事故はピーク時に起きている」と主張していた。
だが、実際のところ、犠牲者が出る事故の78%は、未明もしくは週末に起きている。
ドリア市長はさらに、「犠牲者の80%がバイク運転者」としていたが、実際は66・6%で、さらに、歩行者の死者も7人いたという。