ブラジル山形県人会(篠原俊巳会長)の青年会(タマリ・シンジ会長)が2日午後、サンパウロ市の宮崎県人会館で「日本のサッカーと2020年東京五輪」講演会を開催した。青年会のアドバイザー、有山良治さん(45、二世)らに青年会活動について取材した。
同講演会の講演者は3人。日本サッカーの研究をするチアゴ・ボンテンポさんは主にJリーグの歴史、14年サッカーW杯やリオ五輪委員会で活動した長谷川エドウィンさんは大会運営の内幕に加えて東京五輪への行き方、日本人サッカー選手を研究するエリアス・ファラルツ・イ・フェルナンド・ナムルさんは欧州で活躍する日本選手の紹介などをした。
講演会が企画されたのは9月末。講演場所を探していたチアゴさんに、青年会主体のイベント企画を考えていた有山さんが提案した。チアゴさんの繋がりで他の講演者も決まったそう。
市川タミリス副会長(26、三世)は、人気のスポーツに関するイベント開催で、県人会の名前を広め会員を増やすことをイベントの目的とした。様子見を兼ねた初開催のため小規模にした。
参加者は約20人。「小さい場所だし、広報は3~4日前から。今回はこの来場者数で満足。来年3月にも同様のイベントを開催したい」と手応え十分の様子。
山形県人会の青年会が復活したのは昨年8月。3年程前に活動を停止し、実質「なくなった」状態に。昨年の日本祭りで「手伝ってくれないか」と声を掛けられた有山さんがアドバイザーとして入会。有山さんは埼玉県人会の元青年会会長。経験がない青年らに助言しつつ活性化に励んでいる。
有山さんによると県人会と青年会の間で問題となっているのは意思疎通だ。考え方の違いや理解のズレ、コミュニケーション不足でお互いに不満を抱くよう。「うちの県人会だけじゃないと思うけどね」とも。
山形県人会の定例行事「芋煮会」は昨年から青年会主催になった。今年は例年より大きい場所を借りて来場者増を計画。県人会役員からは「大きくしすぎだ」と注意があったが、青年会は「県人会を大きくするためのイベントだ」と強行した。結果、例年約60人ほどの来場者を約3倍も増やすことができた。
有山さんは「やる前に『失敗するな』と注意されるのが青年会の一番の不満だ」と説明。「イベント開催を任せても途中で口を出す。気持ちはわかるが、お互いの理解が足りていないと思う」と考えを述べた。
青年会メンバーは約15人。イベントの手伝いに来る会員はその半分だそう。市川さんは「青年会は将来の県人会役員になる人材。会がなくならないように活動したい」と述べた。