5日のブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、10月の工業生産は昨年同月比で5・3%増え、同月としては2013年以来の大きな伸びを記録したと5日付現地紙サイトが報じた。
昨年同月比での成長は6カ月連続で、1~10月の累積では昨年同期比1・9%、直近12カ月の累積では同1・5%の成長となった。長期化したリセッション(景気後退)後のため、現在の工業生産は2009年年頭の水準に止まっている。
10月の工業生産を前月比で見ると、0・2%の成長で、9月の前月比0・3%より小幅となったが、9月の場合は24部門中8部門での成長に止まったのに対し、10月は24部門中15部門が成長を記録した。
範疇別では、2カ月連続で前月割れを起こし、累積で2・8%減となっていた半・非耐久消費財が2%増に転じ、資本財も1・1%増となった。だが、耐久消費財は2%減、中間財も0・8%減だった。
前月比で成長したのは医薬品関連の20・3%や飲料4・8%などだ。両部門は、19・7%と0・7%の減産が増産に転じた。他の増産部門は、衣類やアクセサリー4・3%、金属加工1・6%、機械・道具類1・3%、皮革・製靴3・8%などだ。
減産部門は、食品加工業の5・7%や原油やその派生品、バイオ燃料の2・6%、香水その他の個人衛生用品の3・2%などとなっている。
一方、昨年同月比での生産は、四つの範疇全てで成長。部門別では、自動車、トレーラー、車体製造27・4%(自動車製造のみは23・7%)や情報機器や家電、光学機器22%をはじめ、衣類・アクセサリー11・8%、ゴム・プラスチック製品9・9%、飲料8・3%、鉱業3・1%、機械・道具類8・3%、金属加工6・5%など、大半が成長を記録した。だが、皮革・製靴1・5%など、いくつかの部門は減産となった。
自動車関連部門が大きく伸びたのは、トラックを中心とする輸送関連の車種の製造・販売・輸出が順調だったためで、国内市場の伸びを大きく上回ったという。