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ルーラ裁判=第2審は来年上半期中?=TRF4が異例の早期調整=選挙キャンペーンまでに結審か=有罪なら出馬は禁止だが

4日のルーラ氏(Ricardo Stuckert)

4日のルーラ氏(Ricardo Stuckert)

 ルーラ元大統領が18年の大統領選に出馬できるかできないかのカギを握る、連邦第4地域裁でのラヴァ・ジャット(LJ)作戦にまつわる収賄疑惑などでの裁判が、選挙キャンペーンのはじまる来年上半期までに行われそうだと、5日付現地紙が報じている。

 ルーラ氏は7月にパラナ州連邦地裁で行われた、サンパウロ州グアルジャーの三層高級住宅を介した収賄や資金洗浄の容疑での裁判で、9年6カ月の実刑判決を受けている。
 ブラジルでは、フィッシャ・リンパ法適用により、刑事裁判の第2審で有罪判決を受けると、選挙に出馬できなくなる。ルーラ氏は11月末に行われたダッタフォーリャの大統領選世論調査でも34%の支持を得、圧倒的な1位であることなどから、第2審がいつになるかが注目されていた。
 さらにいえば、「大統領選挙前に第2審が行われるかどうか」も焦点だった。それはブラジルの場合、第1審から第2審の間には平均して1年ほど間隔があいており、その計算だと、第2審が選挙キャンペーンのはじまる8月15日以降になることが考えられたためだ。10月の選挙で仮に当選が決まっても、12月17日の正式認証の前までは、裁判による決定で覆すことは可能だ。
 だが、LJ関連の裁判の第2審を担当する、リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレの第4地域裁(TRF4)第8小法廷で報告官を務めるジョアン・ペドロ・ジェブラン判事が、この件に関する分析を終えて既に票を固め、その内容を再確認してもらうために、1日に同小法廷の長で書記官役のレアンドロ・パウルセン判事に書類を送付したことが明らかになった。
 この行為は驚きをもって迎えられた。これまでのLJ控訴審では、報告官が自身の票を固めるまでに平均275・9日かかっていたのに、今回はわずか100日と、半年近く早く、分析作業を終えたためだ。
 これに対し、ルーラ氏の担当弁護士のクリスチアーノ・ザニン・マルチンス氏は、「なぜ、ルーラ氏の件の報告書がこのような速さで作成されたのか、どのような手順で分析が行われたかの説明を求めるつもり」との見解を語っている。
 LJ作戦では、ジェブラン報告官が提出した報告書の再確認作業は通常73日間(約2カ月半)かかっている。今後の日程には年末年始やカーニバルの休みも挟まれているが、この日数なら6月までに第2審を行うのは十分可能だ。ただ、第2審で有罪となった場合でも、ルーラ氏が上級裁判所で出馬を認める暫定令を得ることができれば同氏の出馬はありうる。
 ルーラ氏は最後まで上告し続ける意向で、4日にエスピリトサント州州都のヴィットーリアで講演を行った際も、「ルーラは出馬しない、などというでたらめは信じるな。私は出馬し、そして勝つ」と、何事もないかのごとく聴衆に言い放っている。