2015年12月21日に起きたポルトガル語博物館の火災により、甚大な被害を受けたサンパウロ市ルス駅の外装工事が完了し、6日からは塔の時計も機能し始めた。
ポルトガル語博物館はルス駅の上部に設けられており、同博物館の入り口とエレベーター部分を除いた駅舎の1階(地上階)部分は、都電(CPTM)用のスペースとして使われている。
15年12月の火災は駅舎2階(博物館の最下部)の電気回線のショート(短絡)が原因で、瞬く間に博物館全体に火が広がった。死者も1人出たが、博物館の入り口から見ると駅舎の3分の2位のところにある時計塔が、煙突のような役割を果たし、駅舎全体の延焼は防がれた。
6日の駅舎の外装工事完了と塔の時計の機能再開は、博物館修復工事の第1段階終了を示す。
今後の修復作業の進捗は、資材到着の時期などによるが、6日に現場を訪れたジェラウド・アウキミン州知事によると、ペルーから購入した屋根用の資材27トン分は既にサントス港に着いており、その他の資材も順調に到着しているという。
第1期の修復工事には6500万レアルかかった。2900万レアルは火災保険からの金で、3600万レアルは、文化活動を支援するルアネー法とサンパウロ州州条例に基づくによる免税措置を利用した、民間企業からの寄付で賄われた。
修復工事のために寄付を行った企業は、EDPグループとグローボ局、イタウ銀行だ。
駅舎の外装工事完了と時計の再始動のため、6日午前に同駅を訪れたアウキミン知事は、CPTM7号線の列車2両の新規導入にも立ち会った。CPTMは今年度、65両を導入する予定だったが、現時点で使用されている新車両は、今回の2両を含む28両のみだ。
同知事は、列車の納入の遅れは経済危機故で、「経済危機は政府のみならず、(車両製造を担当する)企業にも多大な影響を与えた」と語った。リセッション(景気後退)が起きた3年間での税収減は270億レアルに及んでいる。
ポルトガル語博物館の営業は、2019年に再開される見込みだ。(6日付エスタード紙、同アジェンシア・ブラジルなどより)
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