西風会は『西風』第6号(209頁)を10月に刊行した。毎月1回集まって議論する私的な研究会で、体験談や調査内容を半年に一度ほど出版している。
昨今の世界で顕著化する自分達の文化を優良だと考え、ときに他文化を排除する自民族中心主義(エスノセントリズム)に疑問を投げかける巻頭言から始まる本号。
故宮尾進さんの論文『次世代への提言』から「近頃の世相で見る日系社会」を掲載。ブラジル日系社会の同化現象に触れ、日系社会の今後について疑問を呈する。
「日本的なあまりに日本的な―日本海軍の作戦思想―」(峰村正威)では日本の国家主義と軍国主義の教育を受けた作者が、日本海軍の作戦思想の中から日本人独特の気質や民族性を探った。
西風会の座談会では「ブラジル生活で印象に残った話」「ブラジルの長所、短所、いろいろ」を収録。
「無窮への旅―移民の持つロマン」(中島宏)では移民とはなにか、なぜ移住するのかを問いかけ、各国の移民子弟の生活や歴史から「移民」というテーマを取り扱う。
希望者は中島宏さん(電話=11・3106・2009、メール=nakashima164@gmail.com)まで連絡を。送料も西風会が負担し、無料配布している。