ミナス・ジェライス州知事のフェルナンド・ピメンテル氏(労働者党・PT)が、6日に高等裁判所の被告となった。ジウマ政権時代につとめた商工開発相での汚職疑惑を問われたもので、高等裁特別法廷が連邦検察庁からの告発を受け付けた。7日付現地紙が報じている。
検察庁が昨年11月に提出した起訴状受け入れに関する審理は先週はじまったが、判事の一人が再考を要請して中断。審理は6日に再開され、満場一致で同氏に対する告発を受け入れた。
告発内容は、ピメンテル氏がまだジウマ政権の商工開発相だった2011~12年に、ラヴァ・ジャット作戦最大の汚職企業でもある建設大手のオデブレヒト社を、貿易協議所(CAMEX)傘下の輸出金融・保証委員会(COFIG)における融資保険の審査で2度、不当に優遇した疑惑に関するものだ。
ひとつはアルゼンチンのブエノス・アイレスでのサルミエント鉄道地下鉄化計画で、オデブレヒトは社会経済開発銀行(BNDES)から15億ドルの融資を受けるために必要な融資保険の取得を願っていた。
もうひとつは、アフリカのモサンビークの首都マプトと近郊都市を結ぶための公共交通機関用道路建設に関するもので、ここでも1億8千万ドルの融資を受けるための保証を必要としていた。
検察庁は、ピメンテル氏とオデブレヒトとの間では、融資保険取得に関する賄賂の取り交わしが約束されていたとしている。起訴状によると、当時、商工開発相の秘書室長だったエドゥアルド・セラーノ氏がピメンテル氏の要請で、CAMEXでの保険取得を保証する代わりに2千万レアルの贈賄を要求。オデブレヒトは1500万レアルの支払を約束したという。
さらに検察は、2012~13年に、サンパウロ市のホテルで賄賂が受け渡しされた際の携帯電話の交信記録もつかんでいるという。会話の主はピメンテル氏と親しい間柄だったオペレーターのベネジト・ロドリゲス・デ・オリヴェイラ・ネット(通称ベネ)氏と、オデブレヒト元理事のジョアン・ノゲイラ氏だった。べネ氏は14年のミナス・ジェライス州知事選でピメンテル氏の右腕的役割を果たした人物で、資金洗浄などの疑いで15年5月に逮捕された。
今回の高等裁の審理では、全15人の判事中、参加した10人全員が起訴状を受け入れたため、ピメンテル氏と他の5人は被告となった。
ただ、捜査妨害など、法的に停職処分の対象にあたる行為が見当たらないなどの理由から、ピメンテル氏逮捕や知事職停止処分はなく、知事は継続することになった。
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