パラナ州クリチーバ市の連邦検察庁支部で7日に開かれた公金返還式典で、ペトロブラス(PB)のペドロ・パレンテ総裁が、ラヴァ・ジャット(LJ)作戦の捜査によって取り戻された、本来はPB社の資金であったはずの6億5390万レアルを受け取ったと、8日付現地各紙が報じた。
式典には、PB総裁、LJ作戦特捜班のデルタン・ダラグノル検事のほか、司法界、連警、国税庁の代表者が出席した。
資金の返還は、個人による報奨付供述や企業版の報奨付供述であるレニエンシアによって実現した。正式に承認されたレニエンシアには、建設大手のオデブレヒト社やアンドラーデ・グティエレス社が行った供述が含まれている。
法曹界などからは、個人や企業との司法取引を批判する声も上がっているが、検察側は、汚職で失われた公金が回復できたことを明らかにする式典の場で、司法取引の正当性も訴えた。
資金返還は15年5月以来10回目で、PB社に戻された資金は14億7500万レアルに達した。検察によれば、この金額は、裁判所が既に承認した報奨付供述(個人)163件とレニエンシア10件とで合意に達している返還額(見込み総額108億レアル)の13%に過ぎないという。
式典の中でパレンテ総裁は、捜査当局に協力していく事と、返還された資金は、環境保護その他の活動のための投資資金とする計画がある事を明らかにした。
同総裁は「汚職摘発で名前が挙がった企業は数多くあるが、汚職によって自らを利した事がないのは弊社だけだ。我々は新規契約や新規事業で恩恵を受けた事はなく、汚職による損害だけを被った」と語った。
総裁はさらに、PB社が経営陣の入れ替えなどで経営状態を健全化、透明化している事に触れ、「PB社は、自らのなすべき事を果たしてきた。今のPB社は過去のものとは完全に異なった組織だ」とした。同総裁は、返還された資金についても「ならず者たちに盗まれた資金」と定義した。
デルタン・ダラグノル検事は、「これまでに返還された資金は、捜査で戻ってくるはずの資金のほんの一部に過ぎない」とし、LJ作戦は、失われた公金を公庫に返還する事なぞ考えない汚職土壌を浄化する形で行われてきた事を強調。その上で、「当時、PB社内で汚職に関わった人物は、同社の代表でもなく、同社の体質を表してもいない。議会や司法当局は、個人や企業との司法取引の有効性を認識し、報奨付供述を用いた捜査が今後も順当に進むよう、支援して欲しい」と結んだ。
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