フランスの製鉄企業Vallourec(V)社が、ミナス州内のユーカリの植林地を含む23万ヘクタール(ha)の農園(時価6~7億ドル相当)を売りに出したところ、中国林業集団公司(CFGC)も買い取りに名乗りを挙げていることが分ったと、18日付エスタード紙が報じた。
ブラジルでは、2010年に総弁護庁が国内農業資産への外資参入を禁じる決定を出して以来、国外投資資金による農業用地などの買収には困難が付きまとう。
同紙は関係筋の言葉として、CFGCはブラジル企業と連携しての植林購入、またはユーカリ栽培のオペレーションにのみ参画する可能性を検討していると伝えた。
同農園取得には、スザノ製紙のような国内企業やカナダの投資家らが関心を示したが、交渉は進まなかったという。
CFGC社からは取材依頼への返答はなく、資金調達のために同社が契約したモダル銀行も、同件に関するコメントは避けている。V社も交渉の存在を明言していない。
V社はミナス州の各所に農業資産を保有している。V社は製鉄所で使う燃料の木炭を作るため、木材を使っているが、2015年から始まった世界規模の製鉄業不振のため、同社は国外事業の再編成を宣言。16年には、国内に三つある溶鉱炉の内、ミナス州内の二つ、バレイロとジェセアバを停止している。
ミナス州にはブラジル国内全ての林業資産の3割が集中している。しかし、物流面に問題があるため、国際競争に耐えうる価格になっていないのが現状だ。