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《ブラジル》ラヴァ・ジャットの余波ペルーに=野党が大統領の罷免請求提出

 ブラジルの建設大手オデブレヒト社が、汚職摘発のラヴァ・ジャット作戦関連捜査のために隣国のペルーに送付した資料から、同国のペドロ・パブロ・クチンスキー大統領が所有するコンサルタント会社ウエストフィールド・カピタル(WC)社に同社が78万2千ドルを支払った事などが明らかになり、野党側が同大統領罷免を要請する騒ぎが起きている。
 オデブレヒト社が同国で請け負った事業に関連する賄賂は、ちょうど、クチンスキー大統領がアレハンドロ・トレド政権(2001~2006)で経済大臣と首相を務めていた2004年11月から2007年12月に支払われていた。
 WC社が関与したとされる事業は、アンデスの水を19キロ先にある4万ヘクタールの荒地に引く灌漑事業や、太平洋岸からアマゾンの森林地帯に至る同国北部の高速道建設事業だ。
 クチンスキー大統領は先日まで、自分の会社はオデブレヒト社に対する仕事は請け負っていないと主張していたが、9日になって、ファースト・カピタル社を通し、灌漑事業と高速道建設事業を行ったコンソーシアムH2Olmos絡みのサービスを請け負った事を認めた。同コンソーシアムにはオデブレヒト・グループが関与している。
 ファースト・カピタルは、WC社の共同経営者だったチリ人の企業家が創設した会社で、オデブレヒト社に対しては、2005~13年に総額400万ドル超のサービスを提供している。オデブレヒト社は同社にも405万ドルの賄賂を支払ったとしている。
 野党議員らは当初、クチンスキー大統領に、議会調査委員会に出席し、できるだけ速やかに疑惑に関する釈明を行うように要請したが、同委員会はフジモリ派が支配しているため、大統領は文書で回答すると答えた。
 野党議員らは大統領の辞任請求も行ったが、クチンスキー大統領は14日に「辞任はしない」と明言。これを受け、議員達の要求も罷免請求に変化した。
 与党議員の一部は、オデブレヒト社からの賄賂は野党側にも渡っていたとして、同国検察に野党の本部を捜査するよう要請すると共に、議会調査委員会の委員長交代も求めたが、大統領罷免への動きは急速に進み、21日に審議、投票が行われる見込みだ。
 クチンスキー大統領は17日、改めて「私は汚職には関与していない」と弁明。納税証明なども提示し、身の潔白を証明しようと努めている。
 ペルーでのオデブレヒト社による贈賄容疑は、ブラジル国内のラヴァ・ジャット作戦の捜査進展に伴って表面化した。オデブレヒト社の報奨付供述などによると、同国での贈収賄は2005~14年に、公共事業請負で便宜を払ってもらった見返りとしての公務員への賄賂提供と選挙献金の形で行われたという。
 17日に公表された世論調査によると、同国国民の57%は大統領は退任すべきと考えているが、21年7月までの任期を全うすべきと考えている国民も41%いたう。13~15日、18日付アジェンシア・ブラジル、同G1サイト、16日付フォーリャ紙、エスタード紙などより)