ブラジルの今年の広範囲消費者物価指数(IPCA・インフレ率)は年3%を割り、来年のインフレ見込みも4%とされているが、一般家庭用の電気代だけは様相が異なる。電気代は今年、全国平均で14%値上がりし、来年も9・4%上昇が予想されていると、25日付現地紙が報じた。
リオ・グランデ・ド・スル州、サンタカタリーナ州、パラナ州の南部3州の電気代は、平均以上の10・7%上がると予想されている。サンパウロ州での今年の値上がり幅は7%、来年の予想は9・1%だ。
電気代の調整は工業製品の生産コストなどにも直結し、来年の電気代値上げでIPCAは0・4%ポイント上がる見込みだ。これは決して小さな数字ではない。来年の予想値は、降雨量の増減による追加徴収(黄旗、赤旗1、2など)、配電会社の値上げ調整などを織り込んだものだ。
エネルギー開発のために電力会社が拠出する基金、動力開発勘定(CDE)の赤字は、今年が93億レアル、来年は126億レアルの見込みだ。CDEは消費者負担で、電気代を押し上げる要因になる。
今年下半期からの景気回復で、電力の需要そのものも高まっている。ブラジル大口電力消費者・電力自由市場協会(Abrace)のエジヴァウド・サンターナ会長は産業界の電力需要回復により、供給量との兼ね合いで電気代が上昇することを心配している。