通商産業開発サービス省(Mdic)は2日、昨年の貿易収支が前年比40・5%増の670億100万ドルの黒字を記録したと発表したと、3日付現地各紙が報じた。
670億ドルを超える黒字は、1989年の統計開始以来、最大だ。
これは、輸出総額が6年ぶりの上昇となる前年比18・5%増の2177億万4600万ドルだった事が大きく影響している。
輸出を牽引したのは、販売量が最大だった原油と、販売額が過去最高となった自動車だ。昨年の原油輸出量は、原油産出量の拡大を受け、前年比66・4%増大した。自動車も前年比20万台増の輸出を記録した。特に乗用車は、対アルゼンチンで43%、対チリで98%など、前年比43・9%の輸出増となった。自動車の輸出拡大は国内販売の落ち込みをカバーした上に、同業界の雇用拡大も招いている。
また、石油や自動車ほど伸びてはいないが、鉄鉱石と大豆は、引き続き主要輸出品目の座を占めている。
Mdic貿易局長のアブラン・ネット氏は、「670億100万ドルの黒字という結果が重要」と語り、泌尿器系の手術後に炎症を起こして静養中のテメル大統領も「この素晴らしい結果はブラジル経済の復活を表している」とツイッターに書き込んだ。
16年の貿易黒字は476億ドルで、今年の黒字は500億ドル程度と予想されている。
これは、景気回復により、投資や原料購入、消費拡大の意味での輸入額の伸びが輸出額の伸びを上回り、今年は、去年よりも黒字幅が減ると予想されているためだ。国内消費が拡大すれば、輸出の一部は国内販売に回る可能性もある。
また、2日は今年のブラジル株式市場の取引開始日でもあった。
17年の貿易収支が670億ドルに上る大幅黒字だったことや、イラン・ゴールドファジン中銀総裁の更なる政策金利引き下げ示唆も、投資家たちを刺激し、サンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は、昨年取引最終日の12月28日に記録した7万6349ポイントから1・95%も上昇し、史上最高ポイント更新の7万7891ポイントで取引を終えた。
2日のドル/レアル為替相場も、昨年末比1・71%ドル安の、1ドル=3・258レアルで取引を終了した。
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