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サンパウロ大都市圏でも黄熱病で死者=マイリポランで感染の3人

 サンパウロ州保健局が5日、サンパウロ大都市圏在住者で黄熱病に感染した人が少なくとも3人おり、その内の2人は死亡したと発表した。7日には、グアルーリョス市保健局も、12月に死亡した男性が黄熱病に感染していた事が確認されたと発表。サンパウロ大都市圏での黄熱病による死者は3人になった。これらの死者は全員、サンパウロ市から39キロのマイリポラン市で感染したとされていると、6~8日付伯字紙、サイトが報じた。
 5日に発表された黄熱病患者3人は年末年始をマイリポランで過ごしたというが、死亡した2人に関する詳細は報じられていない。3人目は27歳の女性で、サンパウロ市のクリニカス病院で肝臓移植手術を受けて一命をとりとめた。黄熱病患者を救うための肝臓移植は世界初で、今後の経過が注目されるが、女性はこん睡状態で、まだまだ重体だ。
 サンパウロ大都市圏では3人目となる黄熱病の死者は、12月25日に死亡した、グアルーリョス市在住の69歳の男性だ。同市保健局によると、この男性もマイリポラン市で感染したとされている。
 サンパウロ大都市圏でも黄熱病のウイルスが蔓延し始めていた事は、10月にサンパウロ市北部の公園で発見されたサルの死体からウイルスが検出された事などからも明らかだった。今回確認された死者3人は、サンパウロ大都市圏で黄熱病に感染したサルの死体が確認され始めてから初の、黄熱病による死者だ。マイリポラン市では、17年1月以降、サルの死体が227体発見されており、内95体は黄熱病感染が確認されている。
 マイリポラン市保健局は5日、12月13日以降に発生した、黄熱病が疑われる患者20人について調査を実施中と発表した。同市では10月以降、市民への予防接種を強化しているが、20人中18人は同市在住者、残りはサンパウロ市とサントアンドレー市在住者各1人だという。調査中の20人中9人は既に死亡しており、5日以降も、黄熱病感染が疑われる患者29人が新たに病院に運ばれている。同市保健局は、同市を訪れる人は事前に黄熱病の予防接種を受けるように勧めている。
 サンパウロ州保健局は6日、同州内での黄熱病の予防接種の対象を生後9カ月から60歳未満の全州民に拡大する事を決めた。感染の危険度が高い地域はワクチン濃度が高いもの、それ以外の地域は濃度が低いものを使うという。60歳以上の人は医師の判断を仰ぐ必要がある。