民主党(DEM)が10月の大統領選挙にロドリゴ・マイア下院議長を擁立し、連邦政府ならびに中道を代表する大統領候補を狙うべく、エンリケ・メイレレス財相(社会民主党・PSD)を潰しにかかっていると、9日付現地紙が報じている。
テメル大統領の連邦政府は、現在の連立与党から中道右派を代表する候補を立てて大統領選に臨む意向で、これまでの展開では、経済建て直しの実績を買われ、メイレレス財相がその座を有力視されている。
だが、そこにマイア氏とDEMが待ったをかけようとしているという。フォーリャ紙の報道によると、DEMは既に進歩党(PP)と連帯(SD)と組み、マイア氏を大統領候補として推すことで合意を得ている、とのことだ、
これら2党とDEMとの話し合いは2カ月前から進んでおり、PPのシロ・ノゲイラ党首がマイア氏の自宅に出向き、会談も行っていたという。
さらにDEMは、メイレレス氏が5日にブラジリアにある福音派の教会のイベントに参加し、経済回復という「奇跡の立役者」と紹介されたりしたことが、「大統領選をにらんでの行為」と報道されると、すぐに批判を行った。同党事務局長のパウデルネイ・アヴェリーノ下議は「選挙のことを話す代わりに、社会保障制度改革法案を通す対策の方に集中していただきたい」と語り、ダニーロ・フォルテ下議も「経済と政治を混同してもらっては困る」と釘をさした。
また、社会保障制度改革に関しても、マイア氏もメイレレス氏同様に改革を望んでいるが、マイア氏はより大胆な改革を望んでいるとも言われている。
ただ、マイア氏の側近によると、マイア氏が中道候補の最大のライバルとにらんでいるのはメイレレス氏ではなく、民主社会党(PSDB)のジェラウド・アウキミン氏だという。その理由は、メイレレス氏は自身のPSD内でさえも大統領候補としての合意を得ておらず、基盤が弱い状態だからだという。
一方、マイア氏にも課題がある。それは現時点での世論調査で、マイア氏を推す国民の声が1%と低いことだ。また、下院議長のままでは現状の政治批判もできない。
そうしたことから、マイア氏が本当に出馬するならば、3月までに下院議長をやめ、そこから全国をまわってキャンペーンを行い、遅くとも6月までには連立候補としての座を確保しなくてはならない。
仮にメイレレス氏、マイア氏が連立政府の代表になれない場合、その座がアウキミン氏に流れることも十分考えられる。