サンパウロ州保健局が9日、州内での黄熱病による死者は、サンパウロ大都市圏の3人を含む13人に増えたと発表したが、同日付伯字紙サイトはその後、同大都市圏だけで死者が3人増えたと報じた。
州保健局の発表では、昨年7月以降、黄熱病感染が確認された患者は29人で、13人が死亡。全員が、ヤブカが媒介する農村型の患者である事が確認されている。大半はマイリポランやナザレ・パウリスタで感染したと見られている。
一方、州保健局の統計には入っていないが、9日にサンパウロ大都市圏の黄熱病による死者に加えられたのは、アチバイア市役所が発表した、22歳と89歳の男性2人と、サンパウロ市リベルダーデ区の病院で入院加療中だった48歳の男性の計3人だ。
アチバイア市で死亡した22歳の男性は同市のポルタン地区で山歩きをしたといい、89歳の男性は同地区在住者だ。
サンパウロ市で亡くなった男性は、同市北部のセーラ・ダ・カンタレイラに住む兄弟の家でナタルを過ごし、4日後に発症。3日に黄熱病と確認され、5日に入院したが、病状が悪化し、亡くなった。
また、9日には、サンパウロ州ジュンジアイ地方のジャリヌ市保健局が、同市在住で、12月31日に死亡した54歳の男性が黄熱病に感染していた事が確認されたと発表した。同地方では昨年10月にも76歳の男性が死亡。翌月には別の感染者も出ている。
サンパウロ州保健局は既に全州での予防接種実施を決めているが、保健省は9日、サンパウロ州とリオ州、バイア州の3州で、2月3~24日に予防接種キャンペーンを実施すると発表した。同キャンペーンでは、サンパウロ州内52市など、感染の危険度が低いとされる75市で、1人分のワクチンを4~5人に分割接種する措置を講ずる。75市の接種対象者は1970万人で、9カ月以上2歳未満の子供や妊婦、外国旅行予定者、特別な病気を抱えた患者など、1500万人には通常のワクチン、470万人には分割ワクチンを接種する。分割ワクチンの効き目は8年間とされ、将来、再接種が必要となる。
なお、9日には、ミナス・ジェライス州でも、ベロ・オリゾンテ市近郊のノヴァ・リマ市保健局が、6日に同市で死亡した46歳のサンパウロ市在住者が黄熱病に感染していたと発表。カルモ・ダ・マッタ市役所も、2日に死亡した39歳の男性の黄熱病感染が確認されたと発表した。同州では既に90%の住民が予防接種を済ませており、キャンペーンは行われない。