移民百周年記念式典で約7万5千人をローランジアに集めたパラナ日系社会は、移民110周年で再び大祭典を挙行すべく、着々と準備を進めている。パラナ州では7月19、20、21日の3日間に渡りマリンガーで『移民110周年エキスポ』を開催し、記念式典を20日午後7時から行う。10日、本紙を訪れたパラナ州移民110周年祭典委員会の西森ルイス祭典委員長(連邦下議)、折笠己知祭典副委員長は、目前に迫る大祭典に向けて意気込みを語った。
昨年1月に開催されたパラナ日伯文化連合会の定期総会で、いち早く祭典委員会を発足させ、準備を進めてきたパラナ日系社会。皇室をお迎えするための行程も総領事館と調整に入った。
西森祭典委員長は「皆の協力があってこそ。反対もなく着々と進んでいる」と手応えを語る。これまで式典はローランジアで開催されてきたが、今回は初めてマリンガ。
式典会場は日本公園ではなく、フランシスコ・フェイオ・リベイロ・エキスポ公園内の巨大ドーム。6千平米もあり、2万人近くが着席収容可能。西森祭典委員長は「百周年では7万人集めたから、2万人は埋められる」と自信を伺わせる。
110周年エキスポ自体は3日間に渡って各種イベントが同時開催され、来場者総数は15万人を見込む。州の盆踊り人口が4千人以上いるといい、当日は「パラナ音頭」や「東京五輪音頭2020」などを一体となって披露する予定。
西森祭典委員長は「北パラナは世界での類のない、色々な民族が入植した国際的な入植地。ルーツは違っても、開拓の苦労を共にした〃同胞〃という意識が強く、当日は他民族の舞踊も披露したい」との構想を語った。
同エキスポ会場は複数の大型施設を完備する。パビリオンの一つでは、日系進出企業や民間企業およそ45社が参画する見本市が設けられる。屋外広場でも自動車関連メーカーを集めた展示ブースが設置される予定だ。
別のパビリオンでは、全伯からおよそ800人が参加するブラジル歌謡協会(ABRAC)がブラジル選抜歌謡大会を3日間に渡って開催する。
子供向けの広場では、ドラゴンボールの脚本家として名高い小山高生氏や、国民的人気漫画「モニカと仲間たち」の作者のマウリシオ・デ・ソウザ氏らが招聘され、アニメやコスプレを楽しめる場所にもなりそう。
西森祭典委員長は、子供向けに広場に力を入れている理由として「日本の精神、教育、文化を若い人に伝えて、それを引継いでもらい、ブラジル社会に広く浸透させていくというのが我々の狙いだ」と強調する。若い世代重視の方針が鮮明だ。
折笠祭典副委員長も「だからこそ、若い世代の皇族にぜひ見て頂きたい。パラナ州日系人は皇室の御訪問を熱望している」と熱く代弁した。
皇室が御来訪されることを想定し、7月19日クリチーバ、ロンドリーナ、20日にローランジア、マリンガという行程を計画。木村元総領事からは承認を得ているといい、今月末に山田彰駐伯大使にも現地を視察しててもらい、公認を得たい考えだ。
□関連コラム□大耳小耳
パラナ州110周年記念式典は当初、サンパウロ市記念式典と同じ7月21日を予定していたため、両側の代表者が集まって調整した経緯がある。その結果、パラナ州はサンパウロ州に日程を譲歩してくれた形だ。その結果、パラナ州は7月19日にクリチーバとロンドリーナ、20日にローランジアとマリンガー、続いて7月21日にサンパウロ市式典、22日にはプロミッソン市の記念式典という予定になっている。パラナ州では「眞子様にぜひ来て欲しい」という声が多いようだが、サンパウロ州では「天皇皇后両陛下になられる前に、皇太子殿下ご夫妻にぜひそろって来て頂きたい。特に雅子さまにはブラジルの土を踏んで、アマゾンの大自然を体験していただきたい」との声も。今からコロニアでワクワクが高まっている。