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《ブラジル》ゴイアス州=20本近い刃物や携帯電話=9人死んだ刑務所で再監査

押収された武器などを前に行われた会見の様子(Jota Eurípedes/DGAP-GO)

押収された武器などを前に行われた会見の様子(Jota Eurípedes/DGAP-GO)

 【既報関連】1月1日の暴動で、死者9人、負傷者14人、脱走者206人が出た、ゴイアス州のアパレシーダ・デ・ゴイアニア複合刑務所農工業コロニーで、第2回目の内部監査が行われ、20本近い刃物や携帯電話などが押収されたと12日付現地紙サイトが報じた。
 同複合刑務所では、昼間の外出が認められないレジメ・フェッシャードと、外出が認められるセミアベルトの囚人を収監している。今回の監査対象となったのは、1日と4日に暴動が起きたセミアベルトの囚人収監施設だ。5日に暴動が発生したオデニール・ギマランエスにはレジメ・フェッシャードの囚人がいる。
 12日の監査は、3日に行われた現場検証をかねた監査に次ぐもの。カルメン・ルシア最高裁長官兼国家法務審議会議長が、8日の同州知事らとの会談で、武器などがあり、安全確保が困難と諭され、内部視察を断念した後に再監査を命じていた。
 刑務所管理部総務局のジョナタン・ジュニオル氏は、武器などが持ち込まれたのは、刑務所管理システムの不備や職員の不足、刑務所の一部が道路に近く、外部から投げ込む事も出来る事が原因と見ている。今回の押収物は、山刀様のものも含む約20本の刃物、携帯電話16個、バッテリー5個、弓鋸5個などで、麻薬も見つかった。
 ジュニオル氏は、これらの品の持ち込みに刑務所職員が関与していないかを調べる意向で、現在ある金属探知機より性能の良い監査用機器を整備する必要も説いた。
 軍警突撃隊なども動員した監査は、囚人427人が残っている中で行われた。他の470人は所外で働いている。同コロニー職員は警備8人、管理部門10人だ。
 同刑務所では、3日の監査でも、刑務所職員が囚人達をコントロール出来ていないなどの問題点が指摘されていたが、8日に警告された爆発物は見つからなかった。
 刑務所管理部総務局長のエジソン・コスタ氏によれば、今回の監査は8日にカルメン長官に提出した今後30日間の管理計画の一部だ。同計画には、危険度の高い囚人の連邦刑務所への移送なども含まれているという。
 州検察局のルシアノ・メイレレス氏は、「インフラ整備と職員増員が必要だ。武器や携帯電話の持込は、管理システムが機能していない証拠」とし、ブラジル弁護士協会のジリス・ゴメス氏も、「このままでは囚人の更生や社会復帰は不可能」「改正への取組みを見守りたい」とコメントした。