サンパウロ市に隣接するマイリポラン市は、山と緑の木々に囲まれた農園も多く、観光客や結婚式を行う人々が引きもきらない。
サンパウロ市北部トレメンベ区に住むジリアルド・ドミンゲスさん(29)とブルーナ・ヴァーレさん(24)も、交際し始めたのと同じ4月に、マイリポラン市で結婚式を挙げることにしていた。
ところが、同市では、昨年の12月13日から1月11日までの間に、黄熱病の疑いのある患者が33人発生しており、その内の11人が死亡。17人は今も入院中だ。
今年に入ってからは、マイリポラン市で年末年始を過ごしたりした人が黄熱病に感染し、死亡したとの報道も続いている。
これらの報道を受け、ジリアルドさんとブルーナさんは、4月に予定していた結婚式を、今年の後半に延期する事を決めた。ジリアルドさん達が住むサンパウロ北部は、昨年10月から黄熱病の予防接種キャンペーンが始まり、二人も既に接種を受けているが、150人に及ぶ招待客全員が予防接種を受けられないままで式に参加し、黄熱病に感染するような事が起きてはならないと考えたからだ。
式の内容などを考え、準備を進めていた二人にとりマイリポラン市での黄熱病患者急増は、背中に冷や水を浴びせるような出来事だったが、山や緑に囲まれた場所での式をあきらめるより、式を延期するほうが良いと考えた上での決断だ。ブルーナさんは今、新たな日取り設定のために、食事や装飾などを担当する会社と連絡を取り合っている。
なお、黄熱病の予防接種は、効果が得られるまでに10~15日かかるので、観光その他で黄熱病への感染が予想される地域に出かける人は、日程に余裕を持って予防接種を受けた方が良い。
また、サンパウロ、リオデジャネイロ、バイアの3州では、1人分のワクチンを4~5人分に分けたワクチンの使用も計画されているが、外国旅行のために黄熱病の予防接種を受ける人は、その旨を伝え、通常のワクチンの接種を受けないと、予防接種を受けたという証明書を出してもらえないので、要注意だ。(12日付G1サイトなどより)