17年5月に出された港湾企業に有利となる大統領令に関して、テメル大統領の元側近のロドリゴ・ロシャ・ロウレス元下議が裏取引のとりまとめを行なっていた疑いがもたれている。そのような企業側の証言に対し、ロウレス容疑者は全面否定する供述を連邦警察にしていたことがわかったと、13日付フォーリャ紙が報じている。
この港湾条例の問題に関して、メスキータ氏らロドリマール社の社員が昨年7月に連邦警察に証言を行なっている。共通しているのは「ロウレス氏が連邦政府側の代表となってとりまとめていた」という点だ。メスキータ氏によると「原則的に毎週のように会い、条例の進展具合について話し合っていた」と証言している。
一方、ロウレス氏が昨年11月に連警に語ったところでは、「彼らが自分のことを重要だと思っているだけで、実際はそのようなことはなかった」とロドリマール側の見解を否定していた。
ロウレス氏は「メスキータ氏とも何度か会って条例の進展の確認も行なってはいるが、企業側から特に圧力も受けなかったし、大統領側からも特別な使命のようなものは受けなかった」と否定していたという。
ロシャ・ロウレス氏といえば、JBSショックの最重要人物の一人だ。昨年4月24日にサンパウロ市のピザ屋で、JBS社から渡された賄賂500万レアルの入ったカバンを渡され、持ち歩いた姿を連警に録画され、テレビで繰り返し放送されたことで話題を呼んだ。
このカバンの録画と同じ日に、ロウレス氏が港湾大手ロドリマール社の理事リカルド・メスキータ氏とのあいだで、便宜の見返りとしての収賄交渉が疑われる会話を電話で行なっていたのが、この港湾問題だ。
この港湾条例は、1993年以降に港湾運営の契約を結んだ企業に対し、それ以前に契約を結んだ企業と同様の契約条件にするもの。具体的には契約年数を25年から35年に伸ばすもので、場合によっては70年にすることも可能だ。
ロドリマール社はサントス港で2つの港湾の契約を持っている企業で、サンパウロ州選出下議だったテメル氏との関係は古いといわれている。
8月と10月に連邦検察庁からの告発が下院投票で却下されたことで、現在、テメル氏が捜査を受けている案件はこの件のみだ。