連邦警察は15日、2012年のサンパウロ市長選に際し、隠し口座で収賄を行なった容疑でフェルナンド・ハダジ・サンパウロ市前市長(労働者党・PT)を起訴した。ハダジ氏は今年10月の大統領選で、ルーラ氏が出馬断念となった際の控え候補と目されており、PTには大きな痛手となりそうだ。16日付現地紙が報じている。
これは連警が昨年6月に行なったラヴァ・ジャット作戦の一環「シフラ・オクルタ作戦」の捜査結果に基づいたもの。ハダジ氏の収賄容疑捜査に特化したもので、サンパウロ市やサンカエターノ、プライア・グランデを対象に行なわれた。
ハダジ氏が2012年のサンパウロ市長選に出馬した際、建設大手UTC社から260万レアルの賄賂を、元サンパウロ州議員のフランシスコ・カルロス・デ・ソウザ(通称シコン)氏が経営する印刷会社の口座に入金させた容疑。この印刷会社が実は架空の会社で、請求書も偽造されたものであることが判明している。
この捜査は、ラヴァ・ジャット作戦での報奨付証言(デラソン・プレミアーダ)において、3人の証言者の口から出た内容から派生した。その証言者のひとり、UTC社の社主リカルド・ペッソア氏によると、支払を命じたのはPTの元中央会計のジョアン・ヴァカリ・ネット氏だった。ヴァカリ氏は既にLJで幾度となく実刑判決を下された、PTの収賄工作の重要人物だ。
今回起訴されたのはハダジ氏、シコン氏、ヴァカリ氏に加え、サンパウロ市市長選の際に選挙参謀を務めたシコ・マセナ氏の計4人だ。彼らは収賄罪を問われているが、ヴァカリ氏は偽証罪と資金洗浄にも問われている。
隠し口座容疑の場合、有罪となると、3年から5年の実刑判決を下される可能性がある。
ハダジ氏は犯罪への関与を否定し、UTC社関係者の司法取引証言の内容を「信憑性がないもの」と一蹴した。
ハダジ氏は、10月の大統領選でルーラ氏のキャンペーン・コーディネーターの重責を引き受けている。
16年のサンパウロ市市長選で再選を狙って、ジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)に敗れたハダジ氏だが、党内での評価は依然として高い。ルーラ氏が24日に第4地域裁(TRF4)での収賄疑惑での2審判決で有罪になって出馬断念となった場合に、代理で出馬することが有力視されている。