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ベネズエラ=反政府派ペレス氏を殺害=野党は「弾圧」と抗議

 ベネズエラのニコラス・マドゥーロ政権が16日、反政府派の警察官オスカル・ペレス氏を捜査の過程で殺害したと発表し、同国で波紋が広がっている。17日付現地紙が報じている。
 反政府グループへの捜査の過程でリーダーであるペレス氏を15日に殺害したと、ネストル・レヴェロル内相が16日に国営テレビの放送で発表した。
 同内相は「ペレス氏のグループが危険な行為を行なった」として特別機動隊を出動させたことを正当化し、「彼らは交渉に応じようとせず、機動隊員の2人を殺し、8人を負傷させた」と激しい応酬があったことを明らかにした。
 そのほかに、反政府グループの6人(男性4人、女性2人)が逮捕されたことも発表した。
 ペレス氏は昨年6月、警察からヘリコプターを盗み、政府派が牛耳る最高裁に手榴弾を投げ込み、内務省に発砲したことで話題となっていた。
 この過激行為にもかかわらず、ペレス氏が逮捕されない状態が続いていた。そのため国内では、実はペレス氏は架空の人物で、反政府派を弾圧する理由を捏造するための事件だったのではとの憶測まで飛んでいた。
 今回のペレス氏殺害をめぐって、野党や人権団体が遺憾の意を表明し、どのように殺害されたのかを明らかにする捜査を求めた。
 マドゥーロ政権から騒乱罪の容疑で逮捕経験もあり、現在スペインに亡命中の元カラカス市長のアントニオ・レデズマ氏は、「国民の理想のために命を賭けた」とペレス氏の死を悼む声明を発表した。