来週24日に迫ったルーラ元大統領の第二審裁判に関し、労働者党のグレイシ・ホフマン党首が「ルーラ氏を逮捕するなら、私たちの屍を乗り越えてから」と挑発的な発言をした。これを受け、リオ・グランデ・ド・スウ州が裁判当日、州都ポルト・アレグレにある第4地域裁(TRF4)の周囲の公共施設に閉鎖を求めるなどの対応を模索していると、17日付現地紙が報じている。
グレイシ氏は16日、サイト「ポデール360」のインタビューで24日のルーラ氏の裁判について質問を受けたところ、「ルーラ氏を逮捕するなら、警察は私たちの多くを逮捕しなくてはならない。それどころか、殺さざるをえないだろう」と語った。「私たちの屍を乗り越えてから、ルーラを逮捕せよ」とのPT陣営の意気込みを示すもの。
ルーラ氏が有罪になったら熱烈的なファンが激しい抗議行動を起こし、場合によっては激化して死人さえ出るとの挑発的な発言であり、警備側の緊張感を一気に高めた。
このため、リオ・グランデ・ド・スウ州保安局は、TRF4のある通称「調和の公園」マウリシオ・シロツキー・ソブリーニョ公園の周囲にある全ての公共施設に対し、24日は閉鎖するよう求めている。
この周辺には連邦税務局や地理統計院(IBGE)といった、国や州の関連の公共機関も少なくない。また南大河州は既に、軍警、市警、連警、交通警察などが一体となった統括警備グループ(GGI)も結成し、裁判当日に起こりうる暴動に備えている。
ネルソン・マルケザン・ジュニオール同州知事(民主社会党・PSDB)は、連邦政府に対し陸軍の派遣まで依頼したが、こちらは現在まで動きはない。同知事は、反ルーラ、反PTとして有名な市民連合のブラジル自由運動(MBL)とつながりのある人物として知られており、それが暴動による対立の激化を激化させるかもと不安視されている。
グレイシ氏の発言に対して、ルーラ研究所所長のパウロ・オカモト氏は「社会的に物議を醸すことを言った」として強い不快感を示した。だが、グレイシ氏は「国民に愛されている英雄が不正の犠牲になっているのだから、これくらい言って当然だ」と強気の姿勢を崩していない。