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社会格差広がるブラジル=億万長者5人の資産は人口半分と同じ

法定最低賃金は月収3万5千円ほどだが、保有資産10億ドル以上は43人も

 貧困問題に取り組む英国系非政府組織オクスファムが22日、ブラジルでは総資産上位5位までの5人の億万長者が、総人口の半分である約1億人分の同額の資産を保有しているとの調査結果を発表した。
 上位5人に上げられたのは投資ファンド3Gキャピタルの共同経営者の3人、ジョルジェ・ペウロ・レマン氏(77)と、マルセル・ヘルマン・テレス氏(67)と、カルロス・アルベルト・シクピラ氏(69)と、サフラ銀行のオーナー、ジョゼフ・サフラ氏(78)、フェイスブックの共同設立者のエドゥアルド・サベリン氏だ。
 保有資産10億ドルを超える「ビリオネア」が2日に1人の割合で誕生した2017年、ブラジル人のそれも2016年までの31人から12人増えて43人となった。
 2017年にビリオネアになったブラジル人の多くは、ブラジルを襲った近年の不況で資産を減らしていて、2017年の景気回復と共にビリオネアに返り咲いた人たちだ。これら43人のビリオネアの総資産額は2017年に13%増えて、5490億ドルだった。
 2017年のブラジルは景気回復による株価の上昇と、最悪の時は脱したものの、依然として1270万人と、高い失業者数という両面が見られる年だった。
 株式市場指数は2017年の1年間で27%も上昇。ブラジル総人口の上位1%の富裕層は、国の富の44%を保有するに至った。
 これはただ億万長者が増えただけでなく、格差が拡大したことを意味する。つまり、貧者はより貧しくなった。総人口の下位50%の収入はブラジル全体の2%に下がった。これは2016年の2・7%から0・7%もの低下だ。
 ブラジルで法定最低賃金しか稼げない人々が、上位0・1%の富裕層の月収を稼ぐためには、「19年間」も働かなくてはいけない―との概算をオクスファムは発表した。