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ブラジル社会党(PSB)、大統領候補で方針分裂=アウキミンかバルボーザか=強い意欲見せる元名判事

バルボーザ氏(Fellipe Sampaio/SCO/STF)

バルボーザ氏(Fellipe Sampaio/SCO/STF)

 ブラジル社会党(PSB)の一部勢力が元最高裁判事のジョアキン・バルボーザ氏を大統領選で擁立しようと動き、民主社会党(PSDB)のジェラウド・アウキミン氏支持に反対していると、30日付現地紙が報じている。
 PSB内部は10月の大統領選をめぐり、二人の候補者に分裂している。ひとつはアウキミン氏支持、もう一つはジョアキン・バルボーザ氏支持だ。
 分裂のきっかけは、アウキミン氏が、自分が大統領選に出たのちのサンパウロ州知事の後釜として、自分の政党PSDBからジョアン・ドリア・サンパウロ市長などを選ぶか、現在副知事のマルシオ・フランサ氏(PSB)にするかで注目を集めていたが、後者を選んだことを最近公表したことだ。
 この決定に恩義を感じたのか、フランサ氏はPSB内でアウキミン氏支持を主張している。
 しかし、PSB内ではそれに反対する勢力が存在し、彼らがバルボーザ氏を強く推しているという。バルボーザ氏は2012年のメンサロン最高裁裁判で報告官をつとめ、当時まだ与党だった労働者党(PT)の政治家たちを厳しく断罪し、国民からの強い共感を得た実績がある。
 バルボーザ氏を推しているのは、同党下院リーダーでミナス・ジェライス選出のジュリオ・デルガード氏を中心とした勢力だ。同氏は、バルボーザ氏に白羽の矢を立てる理由として「わが党は進歩的なイメージをより強める必要がある。バルボーザ氏は既に公人として、ブラジルにとって大いに話題になったメンサロンの件で、大きな貢献をした実績がある」と語っている。
 PSBは、前回14年8月に党首で大統領候補だったエドゥアルド・カンポス氏を飛行機事故で失って以降、党内の求心力が薄れていた。
 デルガド氏は現在、党支部でバルボーザ氏擁立のための説得工作を行なっており、リオ・グランデ・ド・ノルテ州、アクレ州、ピアウイ州の支部の支持が既に取り付けられそうだという。
 デルガド氏と同党の下院グループはバルボーザ氏本人とも、ここ最近で2度打ち合わせを行なっている。1回目は昨年12月にサンパウロ市で、2回目は1月25日、ルーラ元大統領が第4連邦地域裁(TRF4)で12年1カ月の実刑判決を受けた翌日にブラジリアで行なった。
 2度目の打ち合わせの際には、14年のカンポス氏の大統領選で選挙参謀をつとめたアルゼンチン人、ディエゴ・ブラディ氏も参加したという。この席でバルボーザ氏は出馬に強い意欲を見せたと報道されている。