ブラジルのサンパウロ州やミナス州、リオ州では、多くの住民が黄熱病の予防ワクチンの接種をもとめ、公共医療機関に列を作り、行政もワクチン接種整理券の配布など、必死の対応を迫られている。
そんな中サンパウロ市の西隣オザスコ市では、黄熱病予防ワクチンを接種した3歳半の男の子が7日後に命を落とした。
黄熱病ワクチンは副作用の危険性があり、生後9カ月未満の乳児や、妊婦、65歳以上の高齢者には接種が推奨されていない。また卵アレルギーやゼラチンアレルギーのある人も注意が必要だ。
亡くなった男の子の家族によると、ワクチン接種に際し、小児科医からの許可は得ていたという。
男の子は12日にワクチンを接種した。副作用が始まったのはその翌日13日で、強い吐き気に襲われ、39度の高熱を出した。
14日に病院にいくと、鎮痛剤を処方されたがその後も容態は改善しなかった。17日に再び病院にいったが、そこでも風邪と診断され、家に帰された。「別の治療は全く行われなかった」と男の子の父親は語っている。
吐き気もおさまらず、19日に三たび病院に行ったが、発作は酷くなり、心肺停止も起こったので蘇生措置が行われ、一時は持ち直すも、息を引き取った。
病院側は、黄熱病ワクチン接種の事を両親から知れされたのは19日だとしている。だが、両親は「最初に連れていったときからワクチンの事を伝え、すぐに入院させて欲しいと伝えていた」としている。
男の子の死因は黄熱病ワクチンの副作用ではないかと疑われ、現在死因の鑑定が進められている。
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