【既報関連】一昨年成立させた歳出上限法の規定を遵守するため、連邦政府は今年の予算や基本支出から80億レアルの削減が必要になると1月31日付現地紙が報じた。
政府は支出を抑えるため「一時凍結の状態にして、財務状況に応じて開放も有り得る」という措置を今までもとってきた。今回の削減は、それより厳しいものになる。
これは、歳出上限法により予算管理の慣習が変わった、という財務省内の姿勢の表れだ。
教育や医療部門は例外だが、歳出上限法には「予算は、前年予算にインフレ率をかけた分を上限とする」という原則がある。この計算だと、今年の予算は昨年を3%しか上回れない。
「80億レアルのカット」は、2月2日までに財務省経済政策スタッフが正式発表するといわれている。真っ先に削減されるのは投資部門(1月31日付、本紙既報)だ。それだけでは不十分で、特に労働者支援基金(FAT)は大幅なカットが予想される。
予算カット以外に財務を良くする方策として、電力公社エレトロブラス社の民営化を政府は進めているが、議会で審議が止まっている。そのため、政府は同民営化で見込まれていた120億レアルの収入を、まだ収支に組めないでいる。
上限法を守るためにカットしなくてはいけない80億レアルや、エレトロブラス社民営化の遅れによる120億レアルをあわせると、政府は年初から計200億レアルもの苦しいやりくりを強いられている。