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大統領選世論調査=2審有罪でもルーラ優勢=約35%で断然トップ=不出馬なら大混戦模様に

支持者に語りかけるルーラ元大統領(Ricardo Stuckert)

支持者に語りかけるルーラ元大統領(Ricardo Stuckert)

 1月30日にダッタフォーリャ社の世論調査が発表され、第2審で有罪判決を受けた直後にも関わらず、ルーラ氏が約35%の支持率を得て依然トップだった。ルーラ氏抜きの場合を想定した場合は、混戦状態になることも確認された。1月31日、1日付フォーリャ紙が報じている。

 いくつか異なる状況のシミュレーションが試されたが、いずれの場合もルーラ氏が34~37%でトップに立った。
 ルーラ氏は本来、2審で有罪判決を受け、素直に法律に従うなら立候補できず、刑執行を待っている身だ。それゆえ「ルーラ氏は刑務所に行くべきだ」の意見が53%、ルーラ氏が出馬できなくなった場合の「労働者党(PT)の代替候補も支持しない」が56%で、拒絶率はかなり高い。
 だが「求刑年数が妥当か」の質問には50%が「はい」で、45%が「いいえ」と拮抗している。「結局、逮捕されると思うか」の問いに56%が「はい」と答えたものの、昨年9月の66%からは落ちている。
 ルーラ氏が出馬断念の場合、代替候補と見られる一人、バイア州知事や官房長官をつとめたジャッケス・ワギネル氏は現段階で2%。だが「ルーラ氏が推す候補なら投票したい」と答えている人が44%おり、ルーラ氏不出馬なら大きな伸びが見込めそうだ。
 ルーラ氏がいた場合に2位だったジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党に移籍予定)は、ルーラ氏抜きの想定でも、支持率はほとんど変わらない18%のままだった。ルーラ票とボルソナロ票は完全に分離している。
 逆に、左派系候補はルーラ氏抜きだと恩恵を受ける。3位のマリーナ・シウヴァ氏(REDE)はルーラ氏込みで8~10%だったが、ルーラ氏抜きでは13%に上がった。4位のシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)は同じく6~7%だったのが、10%と支持率を上げた。
 ルーラ氏の政敵、中道のジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)も、同様に6%から8%に支持率を上げ、ルーラ氏抜きなら前記の候補たちとの大混戦となると予想される。
 既に積極的に選挙活動を行なっているボルソナロ氏に対し、他の候補はまだほとんど選挙活動をしていない。その分のびしろが見込め、勝負を決める要因になりそうだ。
 その際、鍵を握るのは誰がテメル大統領ら与党勢力の公認候補になるかという点だ。これがはっきりしない。ここにきてテメル政権への不支持率が昨年9月の73%から70%に下がってきたのも気になる動きだ。