ルーラ元大統領は、1月24日に連邦第4地域裁(TRF4)でサンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅を介した収賄と資金洗浄で12年1カ月の実刑判決を受けたが、この判決によって逮捕されるのを避けるべく、最高裁に人身保護令の適用を求めた。元大統領は連邦高等裁(STJ)に特別控訴を求める意向で、抗告のチャンスが残っている間は逮捕されるのを避けようとしているが、状況は苦しいと、5日付現地紙が報じている。
ルーラ氏の弁護団は、1月30日に高等裁に対して人身保護令の適用を訴えたが、副長官のウンベルト・マルチンス判事に却下された。
これを受け、同氏弁護団は2日に、最高裁でラヴァ・ジャット(LJ)裁判の報告官を務めるエジソン・ファキン判事に対しても人身保護令の適用を要請したが、同判事はLJで有罪となった人物に同令の適用を行った例がない。
ルーラ氏の弁護団は、ファキン判事が所属する最高裁第2小法廷がこの請求を判断するよう求めた。ジウマール・メンデス、ジアス・トフォリ、リカルド・レヴァンドウスキー、セウソ・デ・メロの4判事は、最終抗告が結審となるまでは、被告は自由の身でいることを認める意向を示しているからだ。ただ、報告官のファキン判事が人身保護令を認める可能性はほとんどない。
仮にここでも人身保護令適用が却下されたら、弁護側は最高裁に対し、TRF4に対して行った抗告が結審するまではせめて、ルーラ氏への即座の実刑執行を行わないよう請求する予定だ。
TRF4への抗告により、1月24日に出た判決が覆る可能性は限りなく低い。ルーラ氏側はその他の可能性として、STJに対して、TRF4での裁判の判断がおかしいのではないか、という特別控訴を行うことを考えているという。
高等裁がこの請求を却下せずに受け取った場合は、同裁第5法廷が判断を行うことになる。
だが、フォーリャ紙の見方によると、ここで判決が逆転し、無罪を勝ち取る可能性はほとんどないという。それは、LJ作戦に関しては、2014年から現在に至るまで、第3審を行う同裁まで控訴が行ったためしがほとんどないためだ。
過去に3審まで訴状が届いた例は、「ラヴァ・ジャット」の命名のそもそもの発端となったガソリン・スタンド経営者のレネ・ペレイラ被告とカルロス・ハビブ・シャテル被告の2人のみで、そこでもシャテル氏の実刑の長さがわずか3カ月短縮されただけに過ぎない。
この高等裁での特別控訴が失敗に終わった場合は、最高裁への特別控訴が残るのみだ。