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《ブラジル》サンターナ被告「オデブレヒト社に賄賂依頼した」=モロ判事の前で再証言=PTの選挙の裏側も暴露=06年のルーラの選挙も汚染

モニカ・モウラ被告(左)と、ジョアン・サンターナ被告(右)(Agencia Brasil)
モニカ・モウラ被告(左)と、ジョアン・サンターナ被告(右)(Agencia Brasil)

 労働者党(PT)の選挙参謀だったジョアン・サンターナと妻のモニカ・モウラの両被告が5日、パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事に対し、秘密口座(裏金、カイシャ2)を使って賄賂を受け取っていたことを改めて認める発言を行った。6日付現地紙が報じている。

 サンターナ、モニカ両被告は昨年8月に、サンパウロ州アチバイアにあり、本当の所有者はルーラ元大統領とみなされている別荘改築に伴う贈収賄工作に絡んだ容疑で起訴されていた。別荘の改築にはオデブレヒト社とOAS社などが絡み、102万レアルが動いたとされている。これらの企業は、ペトロブラス絡みの事業契約計九つで恩恵を受けたことへの謝礼として改築を請け負ったと見られている。
 サンターナ被告らはこの件に関する被告尋問を受けるために、ペトロブラス元役員のエドゥアルド・ムーザ被告と共にパラナ州連邦地裁に呼ばれていた。
 サンターナ被告はこの日、PT関係の選挙キャンペーンにおいて、かねてから疑われていたオデブレヒト社からの不正献金を受けていた疑惑を改めて認めた。
 同氏が具体的に認めたのは、2009年に行われたエル・サルバドルでの大統領選で左派候補のキャンペーンを手伝った際に、当時の社長マルセロ・オデブレヒト被告の父で、オデブレヒト社の名誉職にあったエミリオ氏に「選挙資金が尽きないように献金を願い出た」と発言した。
 サンターナ被告によると、この申し出は、連邦政府での会議の際のルーラ氏からの進言を受けて行ったもので、被告自身がエミリオ氏に電話をかけたという。
 同被告はさらに、ルーラ氏が再選を目指した2006年の大統領選で参謀をつとめた際、選挙戦の会計担当参謀で、当時財相だったアントニオ・パロッシ被告に対し、「今回のキャンペーンではカイシャ2を通しての資金を持たないことが必要だ」と説き、最初はパロッシ氏も耳を傾けたという。だが、当時のPTは既に、違法献金で選挙資金を賄うことが当然となっており、あとになってパロッシ氏から「すべてを合法献金でまかなうのはかなり難しい」と言われたという。
 サンターナ被告は、2006年のルーラ氏の大統領選に関する報酬について、「合法な献金の中から受け取ったものと、カイシャ2から受け取ったものがある。オデブレヒトの場合はカイシャ2だった。同社からの金は国外の口座に払われる場合もあったし、国内で受け取ったこともあった」とまとめている。同被告は、「この選挙戦以降の報酬は全て、合法献金とカイシャ2の両方から支払われた」とも語った。
 ルーラ氏の弁護人のクリスチアーノ・ザニン・マルチンス氏は、サンターナ被告らへの被告尋問後、「誰も、検察が言うような疑惑を裏付ける証言を行っていない」と批判し、ルーラ氏に対する容疑を否定した。

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