【既報関連】電力公社エレトロブラスの民営化に関し、会計監査院(TCU)が特別公聴会を開く事になりそうだと7日付現地紙やサイトが報じた。
エレトロブラス民営化は連邦政府が昨年出した暫定令(MP814/17)で扱われているが、各方面から疑問ありとされ、連邦地裁による差し止め命令(仮処分)も出ていた。
地裁の仮処分は、2日にアレシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事が棄却したが、TCUのヴィタル・ド・レゴ判事が7日、TCUの外部コントロール局(Secex)に、エレトロブラス民営化のための入札の最低価格(120億レアル)が適切であるか否かの判断と、今年中に予定されている公社、公団の民営化や経営権委譲など、75のプロジェクトを監査するための計画書作成を要請した。Secexは30日以内にこの要請に応えなければならない。
レゴ判事が最低価格の見直しを求めたのは、同公社は株式だけで1710億レアル、その他にも470億レアルの資産を有しているからだ。
エレトロブラス民営化は、社会保障制度改革難航などで、今年度予算の遂行に不安が残る政府にとり、歳入確保の切り札の一つだ。だが、ブラジル北東部の知事や議員らが、北東部の住民が民営化で多大な損失を被ると非難の声を上げるなど、前途多難だ。
エレトロブラス民営化は、同公社傘下の配電会社6社の民営化と抱き合わせで、連邦議会は二つのMPを審議しなければならない。
連邦議会はまた、北部や北東部への燃料供給やサンフランシスコ川流域の活性化などについての審議も求められている。
他方、連邦政府側は、エレトロブラスの民営化以外にも、財政的に不均衡が生じている事業契約の更新や、経営権が返却されたサンパウロ州ヴィラコッポス空港などの再入札などで、議会の根強い反対に直面している。
今年中に入札などを行う75のプロジェクトに関するTCUの出方は、今年度の予算遂行に大きな影響を与えかねず、連邦政府の頭痛の種はまだまだ尽きないようだ。政府側はこれらのプロジェクトは、285億レアルを国庫にもたらすと見ている。他方、落札企業には1320億レアルの投資が求められている。
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