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カーニバル期間中は映画館に行こう! 毎年カーニバルと時期が重なる、アメリカ・アカデミー賞

3年ぶりに小売業は回復したが、過去2年のマイナス分を穴埋めするには至らない(参考画像・Fernando Frazão/Agência Brasil)

3年ぶりに小売業は回復したが、過去2年のマイナス分を穴埋めするには至らない(参考画像・Fernando Frazão/Agência Brasil)

 2月といえば、ブラジルではカーニバルの時期だが、この季節は同時に映画館にとってのかき入れ時でもある。この時期がアカデミー賞の時期でもあるからだ。
 そういわれても日本ではピンと来る人が少ないかもしれない。それは、日本では、アカデミー賞ノミネート作品は、授賞式が終わってしばらく経った4月から5月に公開されることが多いためだ。
 ブラジルの場合は、「作品賞」にノミネートされている映画が授賞式前に公開されないというのは絶対にありえない。ブラジルでは、街のポスターや新聞の情報欄でも、ノミネート作品にはノミネートされたの部門の数だけオスカーのトロフィーマークがつけられ、それを目当てに映画ファンがそれらを見に行く、というのが映画ファンの流儀になっているのだ。
 また、かなりの通になると、アメリカ映画だけでは物足らず、「外国語映画賞」にノミネートされた映画を、サンパウロのパウリスタ大通りにある、レゼルヴァ・クウツラルをはじめとした単館映画館に見に行くのもおなじみの光景。これも同じく2月までには公開されるのが普通だ。
 カーニバルが行われる期間中のいわゆる「カーニバル休暇」では、土日と、1日だけ設けられる火曜日の祝日を生かして映画館に行くブラジル人が多く、特に祝日の日の映画館は毎年映画ファンでごった返している。この期間中、ブラジル国民がサンバパレードだけに夢中になっているわけではないことを、映画館前の長蛇の列が物語っている。
 今年は時期がずれているが、リオのカーニバルの山場、スペシャル・グループでのパレードと、アカデミー賞授賞式のタイミングが完全に重なることも多い。
 しかも、アカデミー賞自体もアメリカとの時差の関係上、ブラジルでは夜の11時から午後3時くらいまでの放送なので、パレードの見どころと完全にかぶってしまう。そのため、「パレードを見られずに終わってしまった」という人も多いものだ。
 今年は9、10日が土日で、12日が祝日のため、11日を休みにして4連休を取る国民も多いが、このタイミングでのアカデミー賞ノミネート作の公開が非常に多い。以下、この期間中にサンパウロ市内で見られる作品を記しておこう。
 (作品賞ノミネート作)「シェイプ・オブ・ウォーター」「ウィンストン・チャーチル―世界をヒトラーから救った男」「君の名前で僕を呼んで」「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」「スリー・ビルボード」「レディ・バード」(演技部門ノミネート作)「ディズアスター・アーティスト」「アイ、トーニャ」(アニメ部門ノミネート作)「リメンバー・ミー」「ゴッホ―最期の手紙」(外国語映画賞ノミメート)「ザ・スクエア―思いやりの領域(スウェーデン)」「ジ・インサルト(レバノン)」「ラヴレス(ロシア)」「オン・ボディ・アンド・ソウル(ハンガリー)」、「(昨年公開につき限定特別上映)ナチュラル・ウーマン(チリ)」。