サンパウロ市保健局とサンパウロ州保健局が9日、サンパウロ市とサンパウロ州海岸部のイタニャエン市で黄熱病の域内感染者が出た事を明らかにしたと10日付現地紙・サイトが報じた。
サンパウロ市の患者は、トレメンベ区に住む29歳の男性で、予防接種も受けないまま、週1回、サンパウロ市北部のカンタレイラ州立公園の近くまで行っていたため、ここで黄熱病のウイルスに感染したヤブカの仲間に刺されたと見られている。
同公園はサンパウロ市で最初にサルの死体が確認されたオルタ・フロレスタル州立公園の隣にあり、昨年10月に閉鎖されたが、今年1月に再開された。また、サンパウロ州内で最多の105人(州内の患者の57%)の感染が確認されているマイリポラン市に隣接している。
イタニャエン市の患者の詳細は明らかにされていないが、この患者も市外には出ておらず、野生型の域内感染と確認された。なお、この患者は黄熱病により死亡した。
2017年1月以降のサンパウロ州での黄熱病患者は186人で、内65人が死亡(サンパウロ市では今年だけで43人感染、6人死亡)しているが、大半は他の州や他の市で感染したもので、市外には出ていないのに感染した域内感染者は、サンパウロ大都市圏のサンベルナルド・ド・カンポで確認された例も含め、3件のみだ。
域内感染者が出たり、サルの死体がみつかったりした地域は、その付近まで黄熱病のウイルスが蔓延している事を意味するし、感染者がネッタイシマカに刺されて、市街地型の黄熱病感染が始まる可能性も強くなる。
そういう意味で、サンパウロ市南部カンポ・ベロの民家で黄熱病に感染したサルの死体が見つかったのも気がかりだ。サンパウロ市はこれを受け、10日から、セヴェロ・ゴメス、マルチン・ルター・キング(コルデイロ)、シュヴィスコ、リネアル・インヴェルナダの4公園を閉鎖する事と、市南部での予防接種には予約番号票を配らない事を決めた。ただし、リネアルは柵がないため、近づかないよう、警告が置かれている。
これにより、サンパウロ市内で閉鎖されている公園は18になった(フォーリャ紙より、G1サイトによれば31)。