リオ・グランデ・ド・スル州連邦裁判所は15日、サンパウロ市のサッカーチーム、コリンチャンスと、建設大手のオデブレヒト社、連邦貯蓄銀行(Caixa)元頭取のジョルジ・エレダ氏、スタジアム運営会社のアレーナ・イタケーラの4者に対し、コリンチャンスのホームスタジアム、アレーナ・コリンチャンス建設に関わる負債4億レアルをCaixaに返却すべしとの判決を下した。16日付現地各紙が報じている。
アレーナ・コリンチャンスは、2014年W杯のため、サンパウロ市東部のイタケーラ区に建てられた。
社会経済開発銀行(BNDES)は2009年に、W杯スタジアム整備(新築、改装を含む)向けに48億レアルの融資を決定。アレーナ・コリンチャンス以外の11競技場の融資はブラジル銀行を通じて行われる事が決まったが、アレーナ・コリンチャンス建設費の融資は担保が保証されずに認められなかった。
だが、Caixaがその後、融資を引き受けたため、リオ・グランデ・ド・スル州のアントニオ・ベイリズ弁護士は、アレーナ・コリンチャンス建設の資金融資は政治的思惑に基づいて行われたもので違法だとして、無効を求めて訴えていた。
マリア・クレイン判事は、「アレーナ・コリンチャンス建設費融資の受け取るためだけに設立された、資本金わずか1千レアルの民間企業アレーナ・イタケーラに、公金を基にした巨額の融資が行われ、サッカーチームだけでなく、入札もなしに建設を請け負った建設会社を利した」と判決文に記した。Caixaが行った融資は、利子も含めると、既に10億レアルに膨れ上がっている。
コリンチャンスとオデブレヒト社は判決後、「アレーナ・コリンチャンス建設費融資の手続きは全て合法的に行われた」と書面で発表し、控訴の意思を示している。