食品大手JBSの社主ジョエズレイ・バチスタ氏らに報奨付証言(デラソン・プレミアーダ)の前に違法な入れ智恵をした疑いが持たれている元連邦検察庁捜査官のマルセロ・ミレール氏。昨年5月のJBSショックの契機となったラヴァ・ジャット(LJ)の捜査前日にも、捜査実施の情報を裏から取得していたことが明らかとなった。21日付現地紙が報じている。
ミレール氏は昨年4月から、JBSの顧問弁護を務める法律事務所「トレンチ・ロッシ・ワタナベ(TRW)」の弁護士として働きはじめた。つまり、5月の時点では既に検察庁の部外者となっていたはずだが、昨年9月、ジョエズレイ氏が逮捕された後、ミレール氏の身辺捜査で押収された携帯電話のワッツアップのやりとりで、昨年5月17日午前中には既に、翌日はLJのパトモス作戦が実施されるのを知っていたことがわかった。
パトモス作戦では、14年の大統領選次点で民主社会党(PSDB)党首だったアエシオ・ネーヴェス上議の姉のアンドレア氏と従兄弟のフレデリコ・パシェコ氏が収賄容疑で逮捕され、政界に激震が走っていた。
ミレール氏はワッツアップ上で、TRWの同僚弁護士のエステル・フレスキ氏にパトモス作戦のことを「インサイダーのことがばれている。明日、作戦が行われるようだ」と伝え、それをもとに、JBS社のデラソンによる恩典の手続きの手順の指示を出していた。
JBSショックに関する最初の報道が出たのはこの17日夕方で、そこで報じられたのは「JBSがデラソンを締結」「ジェエズレイ氏がテメル大統領との疑惑の会話を録音」「アエシオ氏に200万レアルの収賄疑惑」といったものだった。
両者は20日にもワッツアップでやりとりしており、そこでミレール氏は「(連邦検察員の)パレーラが確認した。検察庁の正式発表で、私がデラソンに関与していないことになったよ」と書いた。それに対して、フレスキ氏が「おめでとう」と返していたことも明らかになった。
その一方で20日、連邦高等裁判所は、逮捕中のジョエズレイ・バチスタ氏と双子で同じくJBS経営者のウェズレイ氏に対し、インサイダー取引の疑惑に対する人身保護令適用を認めた。これでウェズレイ氏は自宅軟禁となったが、ジョエズレイ氏は別件との絡みもあり、引き続き刑務所に収監されている。
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