民主社会党(PSDB)が10月の州知事選で、支持者が多く、基盤となる州でどう戦うかの現状分析を21日付現地紙が行っている。カギを握るのは、JBSショックでマイナス・イメージが植え付けられたアエシオ・ネーヴェス氏が上議再選を狙っているミナス・ジェライス州となりそうだ。
各州のPSDB党員・支持者が全国の同党員・支持者に対して占める割合は、サンパウロ州(22・3%)、ミナス・ジェライス州(10・6%)、リオ州(8・4%)、バイア州(7・3%)、リオ・グランデ・ド・スル州(5・6%)となっており、現サンパウロ州知事のアウキミン氏が大統領選で有利な戦いを展開するためにも、自党または協力党の知事候補者が欲しいところだ。
だが、現状では、これらの州の内、同党支持者の30%を占めるミナス州、リオ州、バイア州、ペルナンブコ州ではPSDBの知事候補を擁立する目処が立っておらず、アウキミン氏がこれらの州で選挙演説を行おうとしてもお膳立てをする術がないと、心配する声が党内では漏れている。
現在PSDBでは12州で候補が内定しているというが、大統領選で同党候補になることがほぼ確定しているアウキミン氏への協力取り付けのため、州知事選を協力党の候補に譲歩する状況も見られうるという。
現時点でも、PSDBは、リオ州では民主党(DEM)のセーザル・マイア氏、バイア州でも同じくDEMで現サルバドール市長のACMネット氏の支持に回ると見られている。現状では、党員数や支持者数の上位5州で候補が決定しているのは、リオ・グランデ・ド・スル州のエドゥアルド・レイテ氏のみだ。
サンパウロ州では、アウキミン氏は当初、現副知事のマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)を知事候補に推すつもりだった。だが、20年以上もPSDBが独占してきたサンパウロ州知事職を手放すことに党からの強い反対があり、アウキミン氏が断念。現在は、3月の党内予備選に向け、サンパウロ市のジョアン・ドリア市長をはじめ、最低4人が争っている状態だ。
一方、現在、PSDBが最も懸念しているのはミナス・ジェライスだ。ここも当初、DEMのロドリゴ・パシェコ氏を推す予定でいたが、DEM側がPSDB前党首のアエシオ・ネーヴェス氏が上議再選を狙う意向を表明していることに難色を示しているという。JBSショックで収賄疑惑が噴出し、マイナス・イメージが付きまとうアエシオ氏と州レベルの選挙でシャッパを組むのを断られた形だ。
そこでアウキミン氏は、以前、同州知事もつとめ、現在上議のアントニオ・アナスタシオ氏に知事選出馬を薦めはじめているという。14年の選挙で当選し、今回は出馬の必要のないアナスタシオ氏はこの考えに難色を示しているようだ。