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《ブラジル》汚職捜査LJ作戦48弾=パラナ州PSDBに捜査のメス=州道路で通行料不当引き上げ=州知事の腹心にも捜査の手

「民営化で必ずしも汚職がなくなるわけではない」と語る、カルロス・リマ検察官(Rovena Rosa/Arquivo/Agência Brasil)

「民営化で必ずしも汚職がなくなるわけではない」と語る、カルロス・リマ検察官(Rovena Rosa/Arquivo/Agência Brasil)

 今年最初のラヴァ・ジャット(LJ)作戦となるLJ作戦第48弾、インテグラソン作戦が22日に発動。パラナ州を始め、サンパウロ州、リオ州、サンタカタリーナ州を対象に、50の捜査押収令状と、六つの期限付逮捕令状が執行されたと、22、23日付現地紙・サイトが報じた。
 5日間の期限付きで逮捕されたのは、パラナ州道路局(DER―PR)事務局長のネルソン・レアル容疑者、DER―PR職員のオスカル・ガイェル容疑者、パラナ州の国道管理会社エコノルテ(E)社社長エリオ・オガマ容疑者、同社社員のサンドロ・デ・リマ容疑者、リオ・チバジ社役員のレオナルド・ゲーラ容疑者、建設会社エコ・スール・ブラジル社共同経営者のウェリントン・ヴォルパト容疑者の6人で、罪状は贈収賄、入札詐欺、資金洗浄、横領だ。
 パラナ州内の都市を結び、全長2400キロに及ぶ有料高速道路「アネル・インテグラソン」は1997年に民営化(24年間の運営権委譲)され、6区画中の1区画をE社が落札。DERのレアル容疑者は、E社から賄賂を受け取り、同社が管理する区間の通行料の不当な引き上げを認めた疑いがもたれている。
 検察によると、レアル容疑者は50万レアルを支払っただけで、サンタカタリーナ州バウネアリオ・コンボリウ市にある時価250万レアルのマンションを受け取ったという。
 パラナ州の官房庁職員のカルロス・ナッセル氏にも逮捕状が要請されたが、クリチーバ地裁のセルジオ・モロ判事は、同氏は高齢だとしてこれを却下。しかし、検察はパラナ州庁舎、イグアス宮の家宅捜索と本人からの事情聴取の許可を得た。本人も聴取に応じた。
 ナッセル氏はパラナ州のベット・リッシャ知事(民主社会党・PSDB)にとって、副知事に次ぐ腹心だったが、同知事は「事件の全容が明らかになるまで」との期限付きで、ナッセル氏を一時的に職から解いた。
 今回の作戦は、E社元社員のロドリゴ・ドゥラン容疑者とアジル・アッサジ容疑者氏に関する連警の捜査に基づいて行われた。ドゥラン氏とアッサジ容疑者は、共に別件のLJ作戦で捜査対象となっている。アッサジ容疑者は既に逮捕され、報奨付供述も行っているが、ドゥランシ容疑者はスペインに逃亡中だ。
 E社は2005年から15年に23億レアルの通行料を徴収し、その内の3億4300万レアルが道路補修工事契約の支払いの名目でE社の子会社に回った。その内の1億1千万レアルはE社のホールディング会社に回り、更に、6300万レアルがペーパーカンパニーに流れたという。