【既報関連】サンパウロ市やサンパウロ州の黄熱病感染危険地域では、1月25日から3月2日まで同病の予防ワクチン接種キャンペーンが行われているが、接種率がなかなか高まらず、手段を尽くして接種率を高めようとしている現状を26日付現地各紙が報じた。
ワクチン接種率を高めるため、サンパウロ市保健局は先週末、ワゴン車を改造し、ワクチンを積んで地域を回る作戦に出た。ワゴン車には看護士や市職員が乗り込み、拡声器を使って市民にワクチン接種を呼びかけると同時に、住民への接種も行った。
住民の接種率がわずか18%のサンパウロ市南部ジャルジン・ミリアン地区の保健所では、新しい方策が必要だった。「住民たちに『副作用が危険』との誤った情報が広まり、予防接種を受けに来ない」と職員は嘆く。
同じサンパウロ市南部の別の保健所は、スーパーに簡易接種所を作った。同じく南部のシダーデ・ジュリア地区の保健所は、至るところに24日は保健所が開くからワクチン接種を受けに来るよう呼びかけるポスターを張った。
23日のサンパウロ州保健局の発表によると、1月下旬から始まったキャンペーンでは、ワクチン接種対象地域に指定された地域の住民の45%しか、ワクチンを接種していない事がわかった。サントスやサンヴィセンテ、グアルジャーなど9市からなるバイシャーダ・サンチスタが接種率31%と最も低く、サンパウロ市は54・3%だった。
なお、黄熱病に侵された猿の死体が発見されたサンパウロ市東部のカルモ公園が22日に閉鎖された事を受け、同公園の隣にあるSescイタケーラでは、入園者にワクチン接種証明書と身元証明書の提示を求めることとなった。