ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ドッジ検察庁長官がテメル大統領の捜査を要請=MDBの贈収賄工作の件で

《ブラジル》ドッジ検察庁長官がテメル大統領の捜査を要請=MDBの贈収賄工作の件で

 連邦検察庁のラケル・ドッジ長官は2月27日、2014年の民主運動(MDB)に対するオデブレヒト社の贈賄工作の捜査対象に、テメル大統領も含めるよう最高裁に要請した。2月28日付現地紙が報じている。
 同件は、オデブレヒト社が14年5月にMDBとの間で行った収賄工作に関するものだ。
 オデブレヒト社元理事のクラウジオ・メロ・フィーリョ氏の報奨付証言に基づくと、14年5月28日に副大統領邸で晩餐会を行った際、当時の社長だったマルセロ・オデブレヒト被告がMDB側と1千万レアルの賄賂に関する交渉を行った。その内の600万レアルは、同年10月のサンパウロ州知事選に出馬したパウロ・スカッフィ氏のもとに流れていたという。この贈収賄工作の窓口役と見られているのは現官房長官のエリゼウ・パジーリャ氏で、モレイラ・フランコ大統領府事務局長も捜査対象となっている。
 ドッジ長官は、同件の捜査に、当時は副大統領だったテメル大統領も含めたいとしている。
 前任のロドリゴ・ジャノー氏は、同件は「大統領就任前の出来事」で、憲法上、現職大統領は就任前の犯罪行為で告発できないとして捜査を行っていなかったが、ドッジ長官は捜査だけなら憲法に抵触しないとの見解を打ち出し、関係者の記憶が薄れ、種々の証拠が失われるのを防ぐ意味で、「事実関係を出来るだけ早く明白にするため」の捜査開始を求めている。