【既報関連】ラウル・ジュングマン新治安相が、2月27日の就任式直後、連邦警察のフェルナンド・セゴヴィア長官を解任したと、2月28日付現地各紙が報じた。
後任長官には、セゴヴィア氏の前任だったレアンドロ・ダイエッロ長官時代のナンバー2で、現全国公共保安局長のロジェリオ・ガローロ氏が有力視されている。
リオ州の治安部門への直接統治令(IF)発令中の期間限定で創設された治安省は、従来は法務省の管轄下だった、連邦警察と連邦道路警察、刑務所管理局、国家治安部隊(FN)を束ねる。
ジュングマン氏が治安相就任直後に行った連警トップの交代は、昨年11月20日のセゴヴィア氏の同職就任以来続いた問題発言が主要因だ。
昨年11月の就任から2月27日付で解任されるまでの僅か110日間の任期の中で、セゴヴィア前連警長官は、「(50万レアル入り)スーツケース一つでは汚職を証拠立てるには不十分」との発言や、「テメル大統領の港湾条例疑惑では、不正の証拠は見つからなかった。不起訴処分が妥当」とロイター通信社とのインタビューで漏らすなど、軽率な言動が続いていた。
解任前日には、現在進行中でテメル大統領も絡んだとされる港湾条例疑惑の捜査に関し、セゴヴィア連警長官(当時)がコメントや妨害行為を行わないよう、ラケル・ドッジ連邦検察庁長官がルイス・ロベルト・バローゾ最高裁判事に要請していた。
バローゾ判事は港湾条例疑惑に関する最高裁の報告官で、同件に関するセゴヴィア前長官の発言後、同氏を呼んで釈明を求めていた。前長官は27日、新治安相就任式後に受けた報道陣からの質問に口を閉ざし、「裁判所が発言を禁じた」と答えている。
セゴヴィア前長官の就任には、大型汚職捜査ラヴァ・ジャット(LJ)作戦の捜査の手が自らに及ぶ事を警戒した、民主運動(MDB)のエリゼウ・パジーリャ官房長官やジョゼ・サルネイ元大統領の働きかけがあったと見られているが、両者はそれを否定している。
ラウル・ジュングマン新治安相は、以前からセゴヴィア氏のことを快く思っておらず、治安相就任時には、自らの信用の置ける人物を連警長官に就けることに強くこだわった。
ジュングマン氏は治安相就任式前日にテメル大統領(MDB)と会い、就任直後にセゴヴィア氏を解任し、ガローロ氏を後任に就けることの了承を得ていた。
ロジェリオ・ガローロ新連警長官は、セゴヴィア氏の前任で7年にわたって連警長官を務めたダイエッロ元長官の右腕として、13年6月から17年11月まで連警副長官を務め、昨年11月の連警長官選出時もトルクアト・ジャルジン法相らが推していた人物だ。ガローロ氏の連警長官指名は、連警内の混乱に倦んでいた職員たちには歓迎されている。