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サンパウロ州保健局=黄熱病は季節性を失った?=予防接種対象を全州民に拡大

 【既報関連】サンパウロ州保健局が5日、黄熱病の発生は夏だけに特定出来なくなっており、年間を通じた対策が必要との考えを明らかにしたと6日付現地紙が報じた。
 1900年代までのブラジルは、5~8年周期で黄熱病の流行を見ていたが、患者の大半はブラジル北部や同中西部で感染していた。
 だが、2000年代からは感染地域が海岸部に向かって広がり始めた。また、2017年には、サンパウロ市やその周辺の森林地帯でも域内感染患者の発生を見るようになった。
 近年の特徴は、地域的な広がりだけではない。2016年以降、黄熱病によって死んだサルの死体が冬でも発見されるようになっているのだ。
 サンパウロ州保健局の黄熱病対策統括者のマルコス・ボウロス氏は、感染のピークは夏という状況は続くが、感染そのものは年間を通じて起こるようになると判断している。
 この事は、サンパウロ大都市圏のみだった患者発生が海岸部やリベイラ渓谷にも広がっている事とあいまって、サンパウロ州政府に5月までに全州民に予防接種をという決断をもたらした。2日発表の統計では、サンパウロ州内54市での予防接種実施率は50・3%(サンパウロ市は62%)だ。
 サンパウロ州での2017年以降の域内感染者は286人で、死者は102人。感染者最多はマイリポラン市の133人で、39人が死亡した。また、隣接するアチバイア市でも49人が感染し、14人が死亡。サンパウロ市での域内感染者は8人で、4人が死亡している。
 予防接種を受けた州民は600万人になろうとしているが、未接種者が案じているのは予防接種による副作用だ。サンパウロ州では脳膜炎など、68件の報告例があるが、大半は数日間で回復している。予防接種後に発症し、重症化して死亡した例は7年が3件、18年も検査中の例が1件のみだ。
 なお、サンパウロ市の動物園で死亡したサルからは、マイリポラン市などで確認された型のウイルスではなく、ピラカイア市近郊で発見された型のウイルスが検出された。アドウフォ・ルッツ研究所職員は、動物園で死亡したサルは、誰かが他の地域から連れて来たが、病気になったために放置したか、他の地域で感染し、症状を呈す前に動物園に来た患者を刺したカが、感染後にサルを刺したかのどちらかと見ている。