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沖縄県立図書館=県系人の史料探しに協力を!=新図書館に移民コーナー設置で

来社した皆さん

来社した皆さん

 新しい沖縄県立図書館が今年12月に開館し、移民史料コーナーが設けられる予定。同図書館の原裕昭主査、資料班の野波茉由子主事、琉球大学の町田宗博教授、ブラジル沖縄県人会の島袋栄喜会長が7日に来社し、史料収集への協力を依頼した。
 新図書館は那覇バスターミナル跡地に建てられる。5階には国際文化交流コーナーが作られ、書籍やパネルなど各国の沖縄県系移民資料が中心となる。図書館の下はバスターミナルとなり、ゆいレール(沖縄都市モノレール線)の旭橋駅も近い。
 原さんは「移民を知る人やその史料は減っていくばかり。大事な記録を散逸させないためにも、県人会や個人、市町村会の資料を集めたい」と語った。
 県人会などの記念誌や年間活動記録、芸能講演パンフレットや自伝など出版物、1945年以前に発行された琉球・沖縄関係資料などを特に集めている。
 同図書館は「沖縄県系移民一世ルーツ調査・相談サービス」を日英語で行なっている。同図書館が所蔵する移民関係資料や名簿、地域のネットワークを駆使し、移民子弟の祖先となる一世の情報を調査、当時の地域の様子などを伝えるものだ。
 一昨年に開催された「第6回世界のウチナーンチュ大会」でも同サービスのブースを開設。期間中4日間で約300人がブースに訪れ、翌日に沖縄県の親戚を訪問する等といったニュースも聞いたという。
 一行は6日にブラジルに到着、13日まで滞在して資料収集を行なう。島袋会長は「世代交代の中、日語を読めない人が貴重な資料を捨ててしまうこともある。ぜひ県人会まで持ってきて」と寄贈を呼びかけた。問合せは、同県人会本部(Rua Tomas de Lima, 72, Liberdade/電話=11・3106・8823/メール=brasil@okinawa.org.br)まで。


□関連コラム□大耳小耳

 沖縄県系移民の資料探しのために来伯した琉球大学の町田教授は、沖縄県立図書館のルーツ調査・相談サービスについて「心強く面白いサービス。人や地域に密着した展開を見せている」と語った。「世界ウチナーンチュ大会」への県系子弟参加者の多さもあり、「県としても世界のウチナーンチュのネットワークを強化したい」といった思いがあるよう。このような調査を通じてルーツを明確化することは、県系意識高揚に欠かせない〃情報武装〃のようだ。在外の県系子孫がルーツをたどれるだけでなく、沖縄在住者が移民した親戚を探すこともできる。現在、ルーツを探せる問合せサイトは英語でのみ利用可能だが、将来はぜひポ語でも使えるようにしてほしいもの。こんなに子孫向けサービスに力を入れるのは、さすが沖縄県。他の県でも見習って欲しいところか。