7日、アルゼンチン軍事政権最後の大統領、レイナルド・ビニョーネ氏が、ブエノスアイレスにある入院先の軍病院で亡くなった。90歳だった。8日付ブラジル国内紙が報じている。
ビニョーネ氏は、マルヴィナス戦争(フォークランド戦争)の最中の1982年7月、陸軍中将から大統領に抜擢された。だが、敗戦による軍の求心力低下と民主化の波には勝てず、83年12月に退陣。同月末に10年ぶりに行われた大統領選挙でラウル・アルフォンシン政権が誕生し、軍事政権は終了した。
同氏は1976年から83年に至る、「汚い戦争」とも呼ばれる弾圧テロで、政治犯の殺害や拷問を行い、さらに死亡した政治犯の赤ちゃんを誘拐するなどの犯罪に関与した疑いが持たれ、長きにわたり、裁判でその責任を追及されていた。
90年代のメネム政権の時、一度は恩赦されかけたが、2003年からのキルチネル政権誕生で一転。2010~16年に4度の告発を受け、計75年の実刑判決を言い渡された後、17年に終身刑の判決を受けて、服役していた。