ラウル・ジュングマン治安相は8日、カルメン・ルシア最高裁長官と面会し、違法薬物所持に関して、「有罪となる最低量を決める」ための審理を再開するよう求めた。
同相はカルメン長官との面会の後、「現行法には、極めて悪質な密売人と、自分が使うためにほんの少し買った人や自分用の麻薬を持ち歩いている人とを区別する基準がないため、各判事や各法廷がケース・バイ・ケースで決めざるを得ず、現場が混乱している」と語った。
この発言は、薬物法(2006年11343号)28条の「違法薬物を他者から購入、保持、保管し、輸送、所持する者を全て有罪にする」を個人的に使用する人にも適用することの合憲性を問うもので、「有罪となる薬物所持の最低量を決めるか否かの判断」が最高裁に問われていた。
最高裁での審理は2年以上前に始まっており、ジルマール・メンデス、エジソン・ファキン、ルイス・ロベルト・バローゾの3判事が、「有罪となる薬物所持の量を決めることに賛成」と投票していた。
なお、バローゾ判事は、大麻の場合は最大25グラムと具体的な量まで提案していた。
同件の審理は、テオリ・ザヴァスキ判事(故人)が、「証拠再検討」を求めたために中断された。同判事は、昨年1月に飛行機事故で命を落としており、後任にはアレシャンドレ・デ・モラエス氏が就任している。
ジュングマン治安相はデ・モラエス判事とも会い、「判事は『自分の判断を表明する準備は出来ている』と語った」と明かした上で、「カルメン長官には、一刻も早く同件の審理を再開するよう要請した」と述べた。
ジュングマン治安相は、「法的基準が決まらないまま、前科もなく、微少量の薬物所持者まで逮捕、投獄することを続けていたら、刑務所はますます囚人で溢れ、刑務所の主導権をギャング組織に譲り渡すことになる」と語り、最高裁が基準を決めることで、国内の刑務所が囚人で溢れたり、軽犯罪で刑務所に入れられた人がギャング組織に取り込まれ、重犯罪者に変わったりする現状を改善することにもなるとした。(8日付アジェンシア・ブラジルより)