ジャパン・ハウス(平田アンジェラ館長)は、「第8回運営委員会」を先月28日に同館で行った。4月1日から新発足する「JHアソシエーション」における事務局新体制やこれまでの運営状況、今後の運営予算について議論が行われた。
5月開館から8カ月で来館者数が50万台の大台を超え、12~2月の休暇シーズンにおいても来館者数を順調に伸ばし、今月中旬にも70万人達成を見込む。
11日にMASPを中心に近隣7施設が同時開催する文化事業「パウリスタ・クルツラル」に参加する。これは各々の施設が場所を提供し、互いのコンテンツを展示しあうもの。野口泰在聖総領事は「外国機関としては唯一の参加となる。象徴的な施設になってきている」と語る。
来場者を継続的に引きつける施策としては、週3日、同館や展示について説明するガイドの配置を開始。サンパウロ州政府と協定を結び、昨年には州立学校14校から1984人の生徒を招待したといい、今年も継続的してゆく見通しだ。
今後の企画展としては4月3日から6月3日にかけて、特別企画展「オスカル・オオイワ」が開催される。オスカル氏は戦後移民二世で、11年間日本に在住し美術を学び、現在は米国在住。移民110周年への顕彰として、日系人の活躍を取上げる。
また、ロボットのデザインも手がけることで有名な東京大学生産技術研究所山中俊治研究室の企画展「プロトライピング」が、今月27日から5月13日まで同館2階で開催される予定だ。
□関連コラム□大耳小耳
米ニューヨーク市マンハッタン区の大通り「5番街」に並んでいる博物館や美術館が、その存在認識を高めて芸術文化の支援を促進するために、毎年6月に開催している「ミュージアム・マイル・フェスティバル」。そのパウリスタ大通り版が「パウリスタ・クルツラル」だ。歩行者天国となる日曜日を利用して大通沿いの各施設で、劇や音楽、芸術、舞踊、文学、映画など様々な催しを基本無料で提供する。JHとしては、FIESPにて11時半から紙芝居、インスティトゥット・モレイラ・サレスにて11時から赤堀雄三さんと海藤洋平さんによる三味線と太鼓の演奏、MASPにて午後2、3時の2回に渡って、風呂敷のワークショップを行う。他の施設でコンテンツを発信することで、日本文化との関係が希薄な客層にも、興味をもってもらう良い機会となりそうだ。