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サンパウロ=大型ロック・フェスにまで黄熱病の注意=市保健局が観客にワクチン接種の勧め

 サンパウロ市の保健局は8日、23日~25日に市内南部のインテルラゴス・サーキットで行われるロック・フェスティバル、ロラパルーザに行く予定の人たちに、開催の10日前までに黄熱病のワクチン接種を受けるよう勧告を行った。
 サンパウロ市近郊では昨年後半から山あいの自治体で黄熱病の患者の発生が増えている上、17年10月に市北部の州立公園で見つかった猿の死体から黄熱病のウイルスが検出されたことなどから、サンパウロ市内でも黄熱病が広まる可能性が出て、市北部での予防接種がはじまった。
 ブラジルでは1942年以来、いわゆる「都市型」と呼ばれる黄熱病の発生は記録されていないが、その後も別の公園での猿の死体が発見された上、サンパウロ市から出たことがない市民の中からも黄熱病を煩う人が出はじめたことなどから、1月末からは第2次予防接種キャンペーンも展開されている。
 一方、毎年3月下旬に開催されるロラパルーザは、常時20万人以上の観客動員を誇る、市内最大の集客イベント。今年は中でも特に売れ行きが良く、24、25日の公演分のチケットは既に売り切れ。動員新記録となる、30万人超えの観客の入りも予想されている。
 だが、開催場所のインテルラゴス・サーキットが郊外に近く、南部でも猿の死体が発見された地区があることや、極めて多くの人々が出入りすることから、保健局が勧告を決めた模様だ。
 黄熱病のワクチンの場合、摂取から10日以上を経ないと効力がないため、ロラパルーザに行く人は、最低でも13日までには予防接種を受けておきたいところだが、日程的に見て、ゆとりはない。加えて、このフェスティバルは全国から人が集まることでも有名なため、サンパウロ市外、サンパウ州外の人がワクチン対策を採れない可能性があるのも問題だ。
 保健局は既に公式サイトで、ワクチン摂取の実施場所の一覧を発表するなどの対応を行なっている。詳しくはhttp://www.prefeitura.sp.gov.br/cidade/secretarias/saude/vigilancia_em_saude/doencas_e_agravos/index.php?p=243611で確認を。