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救済会総会=経営再建委員会立ち上げ=顧問ら熱のこもった議論=養子縁組制度も検討へ

危機感をもって経営再建を訴える大浦顧問

危機感をもって経営再建を訴える大浦顧問

 「毎月24万レアルの赤字でどうやって運営していくのか?」――第66回救済会定期総会が10日午前、文協ビル内で開催され、例年の3倍以上、約70人近い出席者があり、顧問の多くが熱気のこもった前向きな議論を現執行部と行った。最終的には、理事会と顧問会からなる「経営再建特別委員会」を立ち上げて検討することが承認された。

 本田泉(イズム)専務理事は本紙取材に対し、「毎月24万レアル前後もでる赤字は、今まで周辺の所有土地を切り売りした資金で補てんしてきたが、もう売れそうな土地はない。補てんしきれなくなったから、今回承認された2017年会計報告は約42万8千レアルの赤字になった。来年はもっと増える可能性がある」と明言した。
 会計報告では、16年収支が587万8788レだったの対し、17年は529万122レと、理事会の経営努力により経費が圧縮されたことが報告された。イベント増収やノッタ・パウリスタなどの税金還付が収入を増額させたが、会費や入園費がそれ以上に減る中、赤字が増えた。
 原永門顧問からの「なぜこんなに会員が激減したのか」との質問に、本田専任理事は「27年前には8千人の会員が会費を払ってくれたが、デカセギもあって今は700人」と説明した。
 それに対し大浦文雄顧問は、「地方では会費を払える人がいても、集金人が亡くなったために集まらない現状がある。もっと執行部は会費徴収を、援協のように組織的に対応していく必要がある」と指摘するなど白熱した討議が行なわれた。
 相田祐弘(やすひろ)理事から「顧問会会長を新設して大浦さんになってもらい、立て直し議論をする場を作ったらどうか」との提案があったが、同役職が現定款にないため、法的兼ね合いが疑問視された。そこで網野弥太郎顧問からが「経営再建特別委員会」を理事会と顧問会が6人ずつ出して組織し、そこで大浦さんが提起する再建案を討議したらいいのではと提案、承認された。

厳しい経営状態を説明する理事会メンバー

厳しい経営状態を説明する理事会メンバー

 紫牟田寛(しむた・ひろし)顧問も「私が関わる270人の子どもを預かる施設では、企業と養子縁組させて費用を負担してもらう制度を始めてから経営が好転した。ぜひ憩の園でも取り入れては」と提案し、佐藤直(すなお)会長は「ぜひやってみたい」と返答した。
 サンパウロ日伯援護協会の与儀昭雄会長も出席し、「今日この場で議論された問題は援協も頭を悩ませている。福祉という同じ使命を抱える団体同士、これからより一層連携を密にし、解決策を一緒に考えて生きましょう」と前向きにのべた。
 当日は2017年と18年の会計と活動計画が承認され、18―20年の理事会役員および顧問会選挙も行われ、単一シャッパが承認された。
 大浦さんは「ドナ・マルガリーダがこの総会に出席していたら、きっと『皆さん、今決めた通り実行してくださいね』と釘を刺していたに違いない。今回の総会は出発点にすぎない」と表情を引き締めた。


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 元スザノ副市長の森和弘顧問は救済会総会で、「調子が良い団体の総会にはたくさんの出席者がいて、調子が悪ければ人が集まらない。ところが救済会はこんなに経営が危機的になのに、たくさんの出席ある。これは、何とかしなければと皆が思っている証拠」と見ている。危機感を持っている大浦文雄顧問ら有志が、普段なら出席しない重鎮に声をかけて根回しした結果のよう。その結果、例年の3倍もの出席者に。皆が頭を寄せ合って再建のアイデアを練れば、経営を少しでも立て直すことが出来るかも。最後の最後に現れる選択肢の一つが、「援協との合併」のようだ。