サンパウロ市のジョアン・ドリア市長(民主社会党・PSDB)は12日、10月に行われるサンパウロ州知事選への出馬希望を公式に発言し、18日にPSDBサンパウロ州支部で行われる候補選出のための予備選に正式に名乗りをあげた。既に強力に調整も行っており、PSDBの候補になることも有力な状況だ。13日付現地紙が報じている。
ドリア市長は12日、ブルーノ・コーヴァス副市長と共に、サンパウロ州知事選への出馬意向を発表するイベントを行った。
18日の予備選には、サンパウロ州選出上議補欠のジョゼ・アニーバル氏や政治学者のルイス・フェリペ・ダヴィラ氏、サンパウロ州社会開発局長のフロリアーノ・ペザーロ氏も名乗りを上げている。
だが、ドリア氏は既に、サンパウロ州内に3600人いる、投票権のある党員の内、半数近い1791人から予備選出馬を推薦する署名をもらっており、勝利はかなり濃厚な状態だ。
また、副市長のブルーノ・コーヴァス氏は、PSDB創設者のひとりのマリオ・コーヴァス元サンパウロ州知事(1995~2001年、在職中に死去)の孫ということもあり、党内での影響力がきわめて強い。同氏の支持があることは非常に大きい。
そうしたこともあり、ドリア氏の側近は、少なくともダヴィラ氏とペザーロ氏の出馬取消をPSDB党首のジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事に求める意向だという。ドリア氏の側近たちは、3人の内2人が予備選を辞退すれば、アニーバル氏も戦意を喪失し、投票ナシでの知事候補決定となりうると踏んでいる。
ただし、アウキミン氏は投票への干渉行為には反対しているという。
ドリア氏はまた、知事選のシャッパに関しても、社会民主党(PSD)の政治家を副知事に据えたいとしている。その候補として、現科学技術相でサンパウロ市市長でもあったジルベルト・カサビ同党党首が有力視されている。
PSDからの副知事起用は、民主党(DEM)と民主運動(MDB)のシャッパへの連立を狙ったものとされるが、これは同時に、MDBからのサンパウロ州工業連盟(FIESP)会長のパウロ・スカッフィ氏の出馬を崩すためだとも見られている。
ドリア氏が正式に知事選候補になれば、サンパウロ市市長は4月で辞任ということになり、市長在任はわずか1年3カ月強ということになる。これは、同党だと2006年のジョゼ・セーラ氏と同じことになる。だが、セーラ氏は当時、42%の市民から市長としての仕事を評価されていたのに対し、ドリア氏を良い、最良と評価している市民は29%で、状況はかなり異なる。
知事選では、アウキミン知事が大統領選出馬の際に副知事から知事に昇格する予定のマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)らと、争うことになる。