最高裁は13日、民主運動〈MDB〉党首で上院政府リーダーのロメロ・ジュカー上議に対する起訴状を受理することを決めた。これにより、同上議は収賄と資金洗浄の疑惑で被告となった。最高裁がオデブレヒト社幹部らの報奨付証言〈デラソン・プレミアーダ〉を基に政治家を被告とするのは今回が初めてだ。14日付現地紙が報じている。
ジュカー氏を被告としたのは最高裁第1小法廷だ。報告官をつとめたのはマルコ・アウレーリオ判事で、ロドリゴ・ジャノー前検察庁長官からの起訴状を受け付けたいとする同判事の意向に、欠席したルイス・フクス判事以外の3判事全員が賛同して決まった。
起訴状によると、ジュカー氏は2014年にオデブレヒト社から15万レアルの賄賂を受け取ったという。これはオデブレヒト社渉外担当元理事のクラウジオ・メロ・フィーリョ氏のデラソンに基づくものだ。
それによると、この賄賂は、2014年に出された、オデブレヒト社をはじめとした企業を優遇する暫定令〈MP〉を承認するために尽力したことへの見返りだったという。
賄賂の対象となったMPは同年発行の651号と656号で、後者に関しては社会統合基金(PIS)/社会保険融資納付金(COFINS)の支払を免除するものだったという。
また、ジュカー氏への賄賂は、同氏の息子のロドリゴ氏が同年のロライマ州知事選にフランシスコ・ロドリゲス氏の副候補として出馬した際、MDBへの合法的な献金として支払われたという。
ジャノー前長官はこの献金について、「オデブレヒトがロライマでの選挙でMDBに献金を行う論理的な理由が存在しない」として、「ロドリゴ氏への献金は、ジュカー氏とオデブレヒト社との間の合意に基づいたもので、賄賂を合法化するために選挙システムが利用されたのは間違いない」と分析している。
今回の件は、ラヴァ・ジャット作戦でのオデブレヒトのデラソンに基づく政治家への告発を最高裁が受け入れた初めての例で、ジュカー氏は同社のデラソンを受けて最高裁の被告となった政治家第1号となった。
また、クラウジオ・メロ・フィーリョ氏、ロドリゴ・ジュカー氏は、エジソン・ファキン判事の判断で地裁扱いとなっている。ロドリゴ氏は、最高裁で扱われる特権を持つ政治的な役職にはついていない。
ジュカー氏はこの日、上院でこの告発に触れ、「支払は合法的な形で行われている。これは政治家を陥れようとする罠だ」として、疑惑を強く否定した。