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《ブラジル》ルーラ元大統領=復活祭前に刑務所入りか=最高裁に人身保護令再申請

バイア州でのPT青年部の集いに出席したルーラ元大統領(中央、Ricardo Stuckert)

バイア州でのPT青年部の集いに出席したルーラ元大統領(中央、Ricardo Stuckert)

 10月の大統領選再出馬を狙うルーラ元大統領が、4月1日のパスコア(復活祭)前に刑務所に入る可能性があり、同氏弁護団が最高裁に第2審後の刑執行との見解の見直しと人身保護令適用を再申請したと15日付現地紙が報じた。
 ルーラ大統領を巡る裁判は、ラヴァ・ジャット作戦絡みで起きた、サンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅を巡る収賄と資金洗浄、サンパウロ州アチバイアの別荘付農園に絡んだ収賄と資金洗浄、ゼロテス作戦絡みでの戦闘機購入に関連した汚職疑惑などが並行して進んでいる。
 最も進んでいるのはグアルジャーの三層住宅に絡むもので、パラナ州クリチバの連邦地裁での第1審に対する上告を受理したリオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ第4地域裁は、1月に元大統領を断罪すると同時に刑期を延長。抗告後、すぐに刑執行との判決も言い渡した。他件の裁判は検察側や被告側の証人喚問の段階だ。
 ルーラ氏の大統領選出馬には、第4地域裁が判決を覆すか、最終抗告のチャンスがなくなるまでは自由の身でいる事が出来るよう、上級裁判所で人身保護令を獲得する必要がある。
 第4地域裁での上告審は今月の26~28日の間に行われる見込みで、判決が覆される可能性はまずない。労働者党(PT)内でも、復活祭前に逮捕、投獄の可能性が取り沙汰されている。
 他方、最高裁のエジソン・ファキン判事は既に1度、ルーラ氏の弁護団が出した人身保護令の申請を棄却。カルメン・ルシア最高裁長官にも、第2審後に刑執行との見解を再審理する気はない。
 ルーラ氏の弁護団は14日もカルメン長官と会い、見解の見直しを求めたが、快い返答はもらえなかった。
 このため、元大統領弁護団は、ファキン判事が大法廷の場でこの件を取り上げるよう提唱する事に望みをかけて働きかけると共に、再度の人身保護令適用申請を出した。最高裁では、長官が日程に組んでいない項目も、他の判事が大法廷の場で審理するよう要請すれば審理出来る。同裁には、第2審後の刑執行に関する審理が行われるまで結論差し置きという人身保護令適用申請も、既に複数件出てきている。