ブラジルでは10月に総選挙が行われる。出馬予定の閣僚は4月7日までに辞任しなければならないため、内閣改造の準備が進んでいる。現在、空席になることが有力なのは、科技省、教育省、スポーツ省、観光省、保健省だ。また、労働省のように、前大臣が職を返上し、省幹部職員が代行しているポストもある。
ミシェル・テメル大統領(民主運動・MDB)や退任予定者、またはその所属政党が推す後継候補たちも、不適切行政や汚職疑惑による捜査対象だったり、労働訴訟を抱えたりしていると、16日付現地紙が報じた。
ジウベルト・カサビ科技相(社会民主党・PSD)は、現同省副大臣のエウトン・ザカリアス氏を後任に推している。だが、建設大手オデブレヒト社の関係者が、政界汚職捜査、ラヴァ・ジャット作戦の報奨付供述で、サンパウロ市建設局長だった時代に同氏が20万レアルの賄賂を受け取ったと語っている。
リカルド・バロス保健相が所属する進歩党(PP)は、ジョアン・レアン現バイア州副知事を後継に望んでいる。同氏には、州議時代に政治活動限定の航空券購入費を私的に流用した疑惑がかけられていたが、昨年末、最高裁が証拠不十分で不起訴処分とした。
レオナルド・ピシアーニ・スポーツ相(MDB)は、現副大臣のフェルナンド・アヴェリーノ氏に席を譲る事が有力だ。アヴェリーノ氏もリオ州水道下水公社や同州交通局にいた時、不適切行政を行った疑惑がもたれている。
メンドンサ・フィーリョ教育相(民主党・DEM)の後任には、マリア・ギマラエス同省副大臣(民主社会党・PSDB)との声が高い。だが、同氏も、サンパウロ州社会開発支援局長時代に公開入札なしに220万レアル規模の契約を結んだとして不適切行政に問われている。
マルクス・ベルトラン観光相(MDB)後任候補3人の1人で、連邦下議とマット・グロッソ州州議経験者のテテ・ベゼーラ同省観光振興局長(カルロス・ベゼーラ下議の妻)は、連邦下議時代に救急車購入に関する汚職に関与したとされている。1審では有罪となったが、2審で逆転無罪を勝ち取った。
労相は、昨年末にロナウド・ノゲイラ氏(ブラジル労働党・PTB)が辞職して以来、同党のクリスチアーネ・ブラジル上議を後任にとの動きがあったが、同上議の労働訴訟問題や奇抜な言動で見送られ、今は同省副大臣のエウトン・ヨムラ氏が代行を務めている。ヨムラ氏が過去に関与した企業は、少なくとも22件の労働訴訟を抱えている。
現地紙が後継候補者たちに疑惑について質問したところ、全員が口を揃えて否定した。ヨムラ労相代行も、「労働訴訟問題は、今の経営陣の責任」と返答した。
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